れい☆さんのレビュー一覧

  • [評価] ★★★★★

    人が踞り
    自由な羽ばたきを封じられた時
    力を与えるものはなんだろう…

    とめどなく涙を流し続ける和虎に、手紙を握りしめ頬を濡らす由奈の姿が重なりました
    切ない…
    けれど信じます
    籠の鳥は光を見つけた、と
    そしてひとつの決断を待ち望む想いが3人分であることに心強さを感じるのです

    一方、美しい詩から始まる新章で萌が柊の力を背に大きく世界へ踏み出そうとしていることに、流れた時間を時薬(ときぐすり)と呼ぶことを思い出していました
    併せて柊と視線の絡むさまや萌のどぎまぎする心模様に胸を甘くかきむしられながらその日が近づいている予感を覚えるのです…

    更新ありがとうございます
    王者の柊に心からの祝福を!
  • [評価] ★★★★★

    咲くほどに
    それが美しいほどに
    悲しい花があることを誰が知るだろうか…

    ミッション遂行に必要なものは知力と体力、そして度胸
    そんなことを思いながら和虎の活躍を息をのみ目をみはり追っていました
    それにしても、灰谷氏とはなんて息がぴったりなんでしょう!
    けれど、まさに『俺達が動くことにはきっと意味がある』事態の出現に震えます

    由奈の意地を通す強さはそのままだなと感じながら脆さや弱さに思いをいたすと流れた時の残酷さに胸が痛みますね
    そして登りつめた修斗の心中は…

    あの戯曲のワンシーンを思わせる美しいラストに次の展開へ期待が高まります

    更新ありがとうございます!
    由奈の涙がただただ切ない…
  • [評価] ★★★★★

    記憶の底に眠りつづけた真実…
    目覚めの時は 今なのか
    今が知るべき時なのか

    久しぶりの和虎の章に心踊らせ読み始めると…
    懐かしい店、懐かしい名前
    けれど和虎を芯に据えた人々の関わりは随所に置かれたままの謎を解くミステリーの幕開きにも似て…

    そのきっかけが萌であることは意味深く、和虎が思うように時の訪れを強く感じました
    同時に、指輪、手紙、灰谷氏の記憶
    テンポよく繋がってゆく展開に胸が高鳴ります

    萌への愛ある突っ込み、要への複雑な想い、灰谷氏に寄せる信頼、そして柊への忠誠と献身
    和虎にシンクロしながら息を弾ませていました
    和虎、最高!

    更新ありがとうございます!
    さあ手紙の奪還は如何に…
  • [評価] ★★★★★

    夢見た場所に立つ者たちの放つ光が
    降り積もる時を眩く照らし出す
    新たな鼓動が 今 響き始めた…

    希望となる命が誕生して6年
    萌の語る柊の活躍に二人が毛布にくるまり朝日を見つめていた光景を思い出していました

    お帰りなさい
    そして、おめでとう、柊!
    絶対王者の帰還に薔薇の芳香にむせるような胸の高鳴りを覚えました

    その高鳴りは華麗なる転身を遂げた灰谷氏と和虎への大いなる驚きに繋がります

    萌やタカシ、美弥子や翼に歳月がもたらした豊かな日常
    夢はそれを信じ力を尽くすものに微笑むのですね

    我知らず頬を緩めてしまったバスルームのシーンに今後の柊と萌を占うような思いです

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    聞こえてくる
    今 祝福の鐘が鳴りわたるのを…

    ああ、なんて久しぶりに柊の笑顔を見たことか!
    なんて久しぶりに柊に語りかける萌の声を聞いたことか…
    しかも変わらず理想の人だと
    思わず洩れた歓喜の声はしののめ様にも届いたでしょうか

    美弥子さんを抱きしめる柊のぬくもりが伝わるようなシーンに胸がいっぱいになり、巽さんが残したものは新しい命とその命がもたらす光であったとしみじみ感じました

    そして柊が皆の背中を見送る粋な別れのシーンからの萌の登場は拍手の中のカーテンコールのようでひたすら二人を見つめてしまいました

    「これからが始まりだ。俺は光になれる。そうだろ?」
    晴れやかな柊の旅立ちに、乾杯!
  • [評価] ★★★★★

    船はゆく
    ひとりを残して
    船は云う
    下りたのは おまえ…

    そう、自分の意思で決めたことではあるものの、萌との関係に苛立つ思いが未知なる旅へのナーバスな気持ちに拍車をかけタカシへの激しい不快感となって現れたのでしょう
    ぽたり、がぼたぼたと変化する滴の表現に柊の闇が垣間みえます

    波乱の旅立ち…
    けれど柊は行かなければならないのですよね
    愛のために孤独の旅へ

    バルコニーの萌に向かい両手を広げる柊の姿に詩の情景が重なり、風もいらない 声もいらないこの想いよ届け、の言葉と共に深く胸に刻まれました

    美弥子さんの衝撃の告白が救いと新しい幸せの形の礎となることを祈りたい…

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    あの夜を封じ込めたパンドラの匣
    鍵をかけた和虎

    果たして怒りや憎しみを完全に押さえることができるのか
    その代償として自責の念は残り続けるのではないのか
    柊の渦巻く感情を宥め諭す和虎との会話を読みながら少しの危惧が胸をよぎります
    それでも
    「その全てを飲み込んで、生きていこうと思ってる」柊の新たな旅立ちを祝福したいです
    同時に、波乱の章を締め括るに相応しい和虎の活躍に拍手を贈りたい

    残る憂いは萌の記憶喪失ばかりとなった今、柊の出発前にふたりはどんな時間を過ごすのでしょう…

    更新ありがとうございます!
    命がけで由奈を守ろうとした修斗、萌を守りたかった柊が出会ってしまった運命を改めて思いました
  • [評価] ★★★★★

    自分の命よりも大切な人に心を添わせた時
    決まる道もあるのでしょう…

    そんな思いを抱かせる由奈の結婚の知らせ
    ああ、やっぱり…
    けれど寝耳に水の和虎の胸の内はいかばかりか
    ある意味由奈の一番近くにいた和虎…

    とはいえ、霧島組幹部からの話には明らかに朗報もありそっと安堵のため息をつきました

    でも聡明な和虎のこと、この朗報の代償が何なのかきっとわかりますね

    諦めず電話を掛け続けた和虎の献身に改めて柊への深い愛を感じると共に、傷つきながらも守られている柊と萌はこれからどんな道を歩くのか
    胸の震えを覚えさまざまな人物の想いが交錯する物語の展開に期待が高まります

    更新ありがとうございます!
  • [評価] ★★★★★

    待つ
    焦れる 叫ぶ
    思い出す
    信じる
    そして、待ちつづける

    直接吐露された柊の心情はまさに荒れる大海にひとり小舟にしがみつくようで…

    ゆったりと構え萌やタカシに対峙していた柊
    もがき苦しみ沸き上がる激情に揺すぶられる柊
    そのどちらもが柊であることが悲しくやりきれなさを覚えます
    それは独白ゆえの臨場感をもって迫ってくるのです

    柊、どうか…

    けれど和虎の告げる言葉に更なる嵐を予感します

    『萌
    俺達は試されている
    その愛は永遠か
    刹那か』
    新しい概要にも繋がるこの言葉が深く胸に刻まれました

    更新ありがとうございます!
    もちろん永遠さ、と自分に言い聞かせながらドキドキが止まりません…
  • [評価] ★★★★★

    今がその時
    と告げたのは運命だろうか
    いや
    彼が 選んだのだ、その道を…!


    もうそこにある
    と柊が萌の胸を指さすシーンに息をのみました
    美しい…

    そして旅立ちを告げる柊の言葉にあの朝のふたりの会話を思い出したのです
    一緒に、というキーワードと共に

    タカシはその聡明さで何もかもを理解したことでしょう
    その上で幾つかのなぜ?の答えも萌に託されていること、つまり節度をもち待たなければならないことを

    柊へのはなむけのように萌の目から零れ落ちた想いにそっと安堵を覚えました

    男たちの攻防の終焉は次へのプロローグ
    大きく動く運命の物語から目が離せません

    更新ありがとうございます!
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