ここまで来い!
ひとりで来い!
と両手を広げ萌に呼びかける柊が
影となって立ちのぼる…
正直ここまで踏み込んでくるとは思いませんでした、タカシが
柊は自分を邪魔にする、それは嫉妬だ、との思いに高ぶる感情
読み手もそれに引きずられます
きっと萌も
けれど、終始冷静に、時に相手に譲る余裕さえみせる柊の言葉に嫉妬ではない覚悟を感じたとき、昂りを抑えて告げる最後通牒を聞くのです
このふたりの男の渡り合い
痺れました!
そしてこの4ページの中にあの日から抱えた慟哭を越えた柊を見るのです
新しく幕があがる予感に震えます
更新ありがとうございます!
「久しぶりに目が合ったなあ‥‥」だなんて…
れい☆さんのレビュー一覧
表示中非表示にする
-
[評価] ★★★★★
-
[評価] ★★★★★変わっていなかった
許していなかった
吹き始めた柔らかな風の向こう側
彼は ひとり 別の時間を生きていた…
萌とタカシ、美弥子
三人のシーンから萌と柊ふたりのシーンへ
そしてタカシが来ていることを告げられた柊へ
巧みなカメラワークのように切り替わるごとに空気の色と温度が変化するのを感じました
萌とふたりきりで話をする機会を得た柊
けれど…
萌の動揺と独白
タカシの存在はやはり柊にとってそういうことなのですね
さりげなさを装う柊とタカシの会話に緊張の糸が張りつめます
久しぶりの柊の声ですが、とても誇らしくてとても寂しい話とはいったい…
風が変わる予感がします
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★まるで懺悔のように
けれど
喜びをもって語られた大人の恋物語
『美弥子の告白』の章を思い出していました
そこから流れた時間を確かに感じるのは、巽さんへの想いを揺るぎない愛と語る美弥子と彼女を許している柊を見るからに他ならず、巽さんが口にした不倫という言葉に救われるほどの美弥子の人生に思いを至しました
そして一途な愛から生まれた萌の存在…
すべては、許されていますね
萌が学校生活に戻る前日に話がされた意味も本人が言う以上に大きく思え、美弥子の萌への愛情と共に作者さまの愛も感じたのです
けれど柊は、今の萌の恋の対象としてあまりに遠い柊に救いは来るのでしょうか…
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★その傷は
やがて癒える日がくるだろう
けれど 今ではない
記憶も
いつか戻る日がくるだろう
けれどそれも今ではない
それでも
今はただ 守られてある身を喜びたい
たとえ 時は帰らなくても…
同情ではなくその身を案じてくれる人のいる幸せ
特に
『一歩ひいてくれる気遣いが 私と先輩の間に 日だまりのような空間を作る。』
この素敵な表現にタカシの性格と萌の心情が見てとれますね
けれど柊は…
美弥子さんがお兄ちゃんにメールしなくちゃと言った時、まさに終わりの三行と同じ情景が私の胸にも浮かびました
更新ありがとうございます!
柊の想いは何処へいくのでしょう…
-
[評価] ★★★★★少女ふたりの会話はどこかしらヒミツめいて
そっと そっと聞き耳をたてる…
微笑ましくもシリアスで、けれど甘やかさのこぼれる会話にはたかみの明るさと細やかさが溢れていましたね
でも
──ごめん、触るぞ
は、やはり二人の記憶にとどまってしまった…
何も知らないタカシは柊に話したいことのどこかにあてはめたでしょうか
それとも単独の大きな疑問として心に刻んだでしょうか
彼が揺らぎながらも萌を応援したい、と願う感情は時に恋心を越えそうで思わず柊の目線に立って胸に手をあててしまうのです
更新ありがとうございます
─その愛は永遠か、刹那か
新しい概要の言葉に覚える新たなときめき
愛してます、禁兄! -
[評価] ★★★★★陽だまりに似たふたりの時間
そう、この母娘はいつもこのような時を過ごしていた…
そして支え、支えられ時に互いの孤独に寄り添ってきたのだなと改めて感じる場面でした
そんな中美弥子さんが語る柊の姿にその心情は、と思いをはせます
抱き上げた萌のぬくもり、間近で見る萌の顔に何を感じたろうか
ごめん、触るぞと声をかける柊にシンクロして切なさが込み上げてくるのです
そして柊への萌の気持ちは揺れている、と思うにつけ美弥子さんの信頼を得、萌の中でも存在感を増したタカシと柊はどう関わっていくのか…
美弥子さんの恋物語りに萌ははたして…
新たに胸がザワついています
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★記憶の底を揺るがすものは
やはり柊の言葉 声だった…
そのことに安堵しながら思い出していました
ヒカリの2階、綺羅の時…
噛みしめるように萌に語りかける柊の言葉に胸がしめつけられます
そしてこの瞬間、柊と萌だけスポットがあたったように浮かび上がりました
ようやく、本当にようやく萌が柊と向き合えた
たとえ兄と妹でも微かな端緒にすぎなくてもそのことがたまらなく嬉しい…
タカシの価値観を創ったバックグラウンドはわかった
萌が将来の希望を口にした
そして柊は待ち続けることができる
さあ、この後は…!
今、光をひと筋差し込んだ空を見上げるように次を待ち望んでいます
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★青灰色の紗幕の向こう
円形の舞台に椅子だけのセットがあり彼らがいる…
台詞主体の本編はまるで目の前で舞台を見ている如くで、スポットが次々あたるように彼らの思いが語られ観客である私は記憶を呼び覚まされます
更にその時は隠された心情や事実の断片を知るという演出に唸りました
熱くなるタカシ…こだわりは燻り続けていたのだな
立ち上がる柊…落ち着いて!
美弥子さんの賢明な判断とたかみの心配り
そしてあれから初めて吐露される萌の心情と傷の深さ…もう、ここまでで
最後にタカシがかけた言葉
──俺思うんだ、時間は命だって。
に作者の想いもこめられているようで心に残り続けます
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★時は流れるもの
流れ続けて帰らないもの
けれど
もしも…
許されるのならば時間をどこに戻してもらうのがいいのだろう
考えてもやりきれないばかりとわかってはいるのですが…
柊を恐れながらその気配を全身で追っている萌に、記憶を取り戻すことへの覚悟も定まらないまま手探りで夜道を歩いているような危うさを、対照的にひとつの覚悟を決めたかのような柊の態度にはかつて病床で巽さんが望んだような形になっていることへの頼もしさと同時に胸の疼きも覚えます
明と暗、動と静が入り交じるこの集いから目が離せません。
また柊に甘える萌がみたい、と切に願いながら…
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★もう一度
柊への想いが燃え上がったなら…
もう一度
タカシとの関係が戻ったら…
そんなことを考えながら読んでいました
それゆえでしょうか、四人が集うシーンは還らない時への惜別と明日の希望との狭間の光景に思えるのです
そして初めて明かされたタカシの身上に彼への興味をそそられ、名前も含め作者様の思い入れを感じました
それにしても柊の登場シーンの艶やかなこと!
眩しく、ああ、こんな柊だけをみていたいと切に思いました
やはり柊には光がよく似合う
余裕の態度を見せる柊とタカシは何を話すのか…
目を伏せながら柊を見つめるような萌の乱れる想いの行方と共に心がざわめきます
更新ありがとうございます!