…彼の想うマリア様はここにいるよ
そっと囁き驚く顔を見てみたい
そんなことを考えてしまう和やかな時間の中、萌の手繰り寄せる記憶の糸はいつも縺れ、途切れ、ひとりだけ別の時間を生きているかのようです
その対比にもどかしさを煽られます
けれど柊に想いを寄せる自分を覚えていることは嬉しい驚きで、あと少し…!と力が入ってしまいました
晴れやかな灰谷氏のインタビューを柊はどんな気持ちで聞いていたのか…
和虎の的を射た呟きに頬を緩ませながら胸が痛みます
何をきっかけに記憶が甦るのか
ヒリヒリしながら今少し彼らを見つめていたいと思ったのは、はにかむ灰谷氏ゆえかもしれません
更新ありがとうございます!
れい☆さんのレビュー一覧
表示中非表示にする
-
[評価] ★★★★★
-
[評価] ★★★★★本当なら柊の誕生日はふたりのアニバーサリーになるはずだった…
おずおずと日常を過す萌の目に世界は今何色に映っているのでしょう
そうか、萌は中学生だった…と思い出させる友人とタカシの訪れを喜んでいる萌に安堵と不安を覚えます
その不安は灰谷氏が指摘した『寂しいんじゃないですか』の言葉を自分にかけられたものと捉えた萌の心中とシンクロするのです
意識的に柊と距離を置く萌
沈黙と不動に耐える柊
二人の時計が別々の時を刻んでゆくようで…
灰谷氏の存在が頼もしく、またタカシの出現が小さな嵐を予感させ鼓動が早まりました
更新ありがとうございます!
記憶よ戻れ!いや戻るな…深いジレンマに囚われています💧 -
[評価] ★★★★★森深くに眠る姫を起こすのは
気高い王子のくちづけばかり
けれど…
今回の更新分を読みながら柊と萌が初めて出会った日からのふたりの時間を思い返していました
暖かな家族の愛
親しい友や変わらぬ想いを寄せる人の愛
灰谷氏の献身
ふたりを見守る和虎の愛
そして 燃えるような柊の愛
いつの時も萌は愛に包まれていた
だから大丈夫、目覚めることに痛みがあったとしても…
そんな確信をいだいたのです
まさに
──知ることを恐れるな
そこには喜びも確かにある──
という柊の言葉のままに
…それでも、やはり、震えます
更新ありがとうございます!
今、両手を広げ方舟に乗る萌を見上げる柊の姿が見えています
-
[評価] ★★★★★そう、それがいい…!
私が美弥子さんであってもそうするでしょう
そして
同じ言葉を萌にも…
しめやかに明けてゆく野辺送りの朝
静寂に響く美弥子さんの声が、巽さんとふたりきりで交わす最期の言葉となることがただ悲しいです
望みを叶えられず、晴れない霧のように残る三人の謎
美弥子さんの心中はいかばかりか…
けれどこれ以上できることはないのだと、去りゆく靴音が美弥子さんの残る想いを断ち切るように感じられ胸を揺すりました
しまいこんだ手紙が萌の重荷にならぬよう、精一杯の気遣いを見せる柊の胸に再び抱かれる日が来るよう、祈る想いが余韻となり次章への期待に繋がります
更新ありがとうございます!
-
[評価] ★★★★★時を越え届く言葉は
心の傷を疼かせるのか…
ケンタロウが受けとることを拒絶した手紙は、はからずも彼もまた真実により傷つく人間であることを知らせてくれました、巽さんと同じように
必死で言葉を尽くす美弥子さんを見ながら悔しい思いがわき上がるのです
もし、巽さんがその肉声で願ったなら…?
巻き戻せない時間がたまらなく悔しい
巽さんが救いたいと願う存在があるのに…
『焼いちゃだめ だめだよ』
萌の本能が洩らす言葉に私の願いも重なります
真実を消し去ってはいけない、と
ケンタロウと美弥子さんが対決するかのような想いのぶつかりあい
緊張感のあるシーンに力が入りました
更新ありがとうございます! -
[評価] ★★★★★早暁に洩れる話し声…
ひとり語りにも似ながら言葉の向こうにケンタロウを感じることのできる巧みな筆致!
美弥子さんの背中を見つめるように耳を澄ませて読んでいました
それは居合わせた萌とのシンクロとなり、霧のかかった彼女の記憶が幾つかの言葉に響くさまに震えます
そして闇が濃くなるほどにめくるめく二人の夜が狂おしく胸に甦るなか、物語を紡ぐとは一枚の布を織り上げるようなものかもしれないと改めて感じていました
たての糸は柊と萌の甘く激しい愛、横糸に数々の障壁と謎
手紙が過去と現在を繋げ謎が明かされようとしている今、たて糸がたわむことなく織られるよう祈るばかりです
更新ありがとうございます!
-
[評価] ★★★★★この薄闇は景色なのか
それとも
萌の心の内なのだろうか…
読みながら広がる目の前の色は暗く、きれぎれの萌の語りは零れるはしから消えてゆくような儚さを感じさせ胸がつまります
混乱、恐れ、悲しみ…今の萌を包むのは負の感情ばかり
それを支える美弥子さんもまた…
そしてスポットライトがあたるように巽さんの棺に寄り添う憔悴した柊が浮かび上がるのです
けれど
『姿も声も
昨日までと違う
すごく大人に見えて』
と柊を思う萌に無くした時間の重さを感じながら、いよいよ登場したケンタロウを廻る謎へと心が逸ります
この絶妙な展開と区切り…脱帽です
更新ありがとうございます!
怖い、と感じる萌が哀しい…
-
[評価] ★★★★★── あなたと萌さんは愛し合っている。
それでいいんだと、思います。
長い旅のような語りが灰谷氏自身を頑なな正義感から解き放ち、萌と柊の命がけの愛に光をそそいだ…
そんな印象を持ちました
結んだ唇と肩を震わせる柊
その背に手を添える和虎の目は涙を湛えてるかもしれない
語り終えた灰谷氏の口許は優しい笑み…
そんな三人を空に描き、新たに星が繋がった瞬間を見届けた思いで胸がいっぱいです
萌も柊も決して不幸にはならない、苛酷な内容でありながらそんな希望を抱く章の締め括りに物語の紡ぎ手であるしののめ様の愛を感じました
4日間の禁兄祭り
とてもとても幸せな時間でした♪
ありがとうございました! -
[評価] ★★★★★想いがこめられた言葉にはなんと大きな力があることか…
正義を通すことに目を伏せ、ひたすら萌の願いを叶えようと灰谷氏が自分を抑え続けたのも萌の言葉があってこそ
たとえ憎しみをいだく柊を守ることに繋がるとしても…
今改めて本人の語る想いに触れ、萌に対する愚直なまでの誠実な愛に胸がいっぱいになります
同時にコンシェルジュの灰谷氏が二人の運命に影を落とす敵役を経て、萌の守護者ともなり物語のキーパーソンとして今ここにいる…
禁兄を読む醍醐味がここにもあると感嘆するばかりです!
手紙の件を思い出しました
灰谷氏の心情に触れています
さあ、次は…
三日め
更新ありがとうございます!
また明日♪
-
[評価] ★★★★★ひとり語りは悪夢を台詞のないモノクロームの映像のように甦らせます
柊はどんな思いで聞いているのでしょう…
その表情は、蒼白な顔に噛み締めた唇だけが赤いのでしょうか…
胸が締め付けられる思いで読んでいます
そして灰谷氏は、最も惨い状態を、事実を語ることに終始しようと努めているかのように見られます
けれど、だからこそ、吹き出す割れ目を探すマグマのような熱を感じるのです
皮肉にも灰谷氏が萌と柊の結び付きを思い知らされることになった夜
「柊が傷つく」
萌の叫びが甦り胸を離れません
二日め
更新ありがとうございます!
また明日…♪