── もう知ってる…
灰谷氏の呼びかけに答える柊の声が聞こえたような気がしました
柊が衝撃を受けた萌の画像の真実
その核心が語られる中、この真実は萌と柊をどこへ連れ去ってしまうのか
今更ながら身震いが起きる思いです
それにしても灰谷氏の嗅覚或いは熱情、冷静、理知…この章が伝えるものは彼の魅力でもあるのですね
しののめ様の想いの強さも併せて胸に響いてきます
記憶のピースを繋げながら湧き上がる新たな驚きや悲しみ
けれど、そうして出来上がった絵はきっと柊や萌の歩く新たな道を示してくれるはずと信じ、これからの4日間で語られる灰谷氏の言葉に耳を澄ませたいと思います
更新ありがとうございます!
れい☆さんのレビュー一覧
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[評価] ★★★★★
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[評価] ★★★★★なぞる記憶の中に灰谷氏の語る光景が重なり胸をかきむしります
夜の中、何かを振り払うように走る萌と追う灰谷氏
二人だけのはずがもうひとり、すべてを見通し計算し尽くした修斗が爪を研ぎながら背後に隠れていたとは
今更ながら、駆け出す萌の背中へかけた柊の、危ないから、という言葉が予言じみて甦るのです
病院のほの暗いエントランスで、伏し目がちな和虎が背中にあてた手をそのままに蒼白な顔の柊と、ひたと目を離さず語り続ける灰谷氏
その手はきつく握られているだろうか、時に唇を噛んでいるに違いない
そんな絵を思い浮かべ読んでいます…
更新ありがとうございます!
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[評価] ★★★★★寡黙な男のひとり語りが悪夢の夜にメスを入れようとしている今、読み手もまたひとつの覚悟を迫られている
そう思わずにはいられないほどの張りつめた空気
柊の、和虎の、色を失った顔が浮かびます
そう、あの時灰谷氏が萌に声をかけていれば…
さらに遡り、あの時柊が気が付いていれば…
あの時由奈が柊と…
幾つもの『あの時』に思いがいたります
由奈の電話ですべてのピースが繋がり突き付けられる真実と灰谷氏の語る真実が柊の心に何を映すのか
柊は耐えられるのか
今は動悸を抑え灰谷氏の言葉に耳を傾けるばかりです
苦悩と後悔にシンクロしながら
更新ありがとうございます
萌は、どうしているのでしょう…
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[評価] ★★★★★知りたい一心で灰谷氏を責め立てる柊
萌の心情に寄り添い苦悩の内に拒む灰谷氏
緊迫したやり取りに胸がしめつけられます
そんな中、灰谷氏の手に重ねられた萌の手を思い出しました
あの打ち明け話のひと時が灰谷氏を騎士に変えたのだと
そして「柊が傷つく」の一言で萌の愛の深さを思い知ったであろうことも
知らぬ振りをすることを約束しろと強いながら灰谷氏の心は涙を流しているように思え、それが柊の胸に響いた…のでしょうか
萌は頼らなかったのではない、頼ることで起きる悲劇を恐れたのだと理解した柊が事実を知った時、俯くのか顔を上げるのか…
ハラハラが止まりません
更新ありがとうございました! -
[評価] ★★★★★もしも神様が
望むところまで時を戻してやろう、と言ったなら柊は何と答えるだろう
そんなことを考えました
柊の絶望と怒りの叫び声を聞いた後…
読み手の記憶を呼び覚ますようなおぞましい写真の描写
それに呼応する柊の渦巻く感情描写
さらに甦る記憶と言葉
それらが柊の怒りだけではない感情を炙り出し、結果向けた矛先が灰谷氏だった…
柊の心の中が鮮やかに描かれ、その場にいるような臨場感に息をのみました!
図星をさした形の灰谷氏の言葉と和虎の配慮で柊はどうするのか、激流のほんの始まりなのに足がすくむ思いです
更新ありがとうございます!
途中で切った和虎の携帯の向こうにいる由奈を思い出していました…
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[評価] ★★★★★自ら切った通話
修斗を失った瞬間…
由奈、修斗、そして由奈の運命を握る人
今回薄闇に流れる三人の声に色の違いをまず感じました
それは三人の立場の違いを浮き彫りにし、由奈の絶望を際立たせるのです
モエが傷付けられることで傷付く柊
それを助けられなかった無力感と自責の念
まさに由奈にとってのすべての終焉…
「いやいい。もう縁のない奴らと話す必要はないだろう」
あの人の言葉が殊更無情に響きます
そして打ちのめされた由奈に心を残しながら、次章柊sideへと逸る気持ちは禁兄ドラマチックの山場が訪れる予感と重なるのです
更新ありがとうございます!
久しぶりの修斗の声は修斗そのものでした…
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[評価] ★★★★★携帯から洩れる声に
空気が青ざめ 身震いする
すべては遅すぎたのだろうか…
結果として和虎にかけたことは正解だった
そう思ったのも束の間、起きた騒ぎに由奈と一緒に息をのみました
携帯を使って離れたふたつの場面を繋ぎ、和虎の疑問を解消して、畳み掛けるように柊と灰谷氏の争いが起きる
この多次元の展開のスピードと緊迫感
唸るばかりです
しばしおいてけぼりの由奈は焦れることでしょう
けれど事の全容を知った時どうするのか
あちらとこちら、事態はどう動くのかますます目が離せません
彼らの抱いた祈りは届くものでしょうか
更新ありがとうございます!
あの写真が波紋を広げた…ああ… -
[評価] ★★★★★小鳥はついに
外の世界をあきらめ
籠のなか…
孫を慈しむ暖かな顔と、組を統べる非情な顔
そのふたつの顔を見せながら、時に楽しむように由奈と話を続けるこの人には叶うわけがない
そんなことを会話の中で感じていました
だからこそ、ばたばたと足掻くことの多い由奈の決意と覚悟が胸にすとんと落ちたのです
けれど賽のひとつは既に投げられてしまった…
果たしてふたりのSHUの運命は…
更新ありがとうございます!
由奈なりの由奈らしいケリの付け方が痛々しい…
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[評価] ★★★★★由奈はいつも間違える
恋する相手を間違え、分かれ道で選ぶべき道を間違えた
今でさえ、真っ先に話をする相手は柊ではなく修斗であるはずなのに…
そんなことを考えていました
そして絶望と焦燥を抱え蹲る由奈が、いたずらが過ぎて閉じ込められた子供に見えてしまうのです
由奈の想いを描くほどに浮かび上がる修斗の想いが鮮やかです
非道なシーンを読んだ後なのに痛々しささえ感じるほどに
そんな修斗を間近で見てきたツトムの『…その痛みこそが嬢への罰なんでしょう』の言葉が心に残ります
ついに現れた会長
由奈と対峙する時何が起きるのでしょうか…
更新ありがとうございます!
待望の由奈sideにドキドキです -
[評価] ★★★★★パンドラの匣が開いた…!
その時
彼はひたすらの闇に堕ちてゆき
心は赤黒く塗りつぶされた
やがて彼の世界を支配するものは
怒り、絶望、慟哭
匣が吐き出した暗黒だけだろうか…
泣き叫ぶ萌を残し、自己嫌悪に苛まれる柊がクリスマスに思いをはせたことが、まさか真実を知るきっかけになるとは…
萌の携帯に残された忌まわしい画像を私たちは知っているはずなのに、柊にシンクロするあまり、求めた幸せな記憶との落差にふいをつかれたように立ち竦みます
はたして柊はこの後…
和虎は?灰谷氏は?そして萌は?
更新ありがとうございます!
柊の絶望で下りた幕から続く次章の由奈side
更なる波乱の予感です