憾み その4
連載中[作品説明]
大学4年になった、4月中旬の土曜の午後。舞田から電話が掛かり、
「ユースケ、久しぶりに行っちゃわない?」
とクラブに誘われた。
とっくに就職活動に入り、遊んでいる暇などない筈だが、週末だったので、
「はいはい。行っちゃいますよ」
軽く承諾した。
18時過ぎに六本木に行ってみると、舞田の他に、ミドと彼女の女友達2人が来ていた。
入口でIDチェックなどを済ませ中に入ると、4人はフロアーに出て踊り始める。舞田は直ぐに目当ての女性を見付け、リズムを取りながら声を掛けている。オレはカウンターで軽くリズムを刻み、2、3時間場の雰囲気を堪能したら帰ろうと思っていた。
「望も踊らない?」
三つ離れた席に座っていた女性に、友達と思われる女性が声を掛けた。
「うん。私はいい」
ノゾミと呼ばれた女性が答えると、友達は「そう」と言ってフロアーに戻って行く。これが、早稲田望という人を最初に見た瞬間。色白で、サラっとしたロングヘアーの早稲田が気に留まった。だが、流石にガン見する訳にもいかず、気持ち悪いと自覚しつつチラチラ見て現を抜かした。
その時、後ろから急に肩に手を回された。
「ユースケもたまには弾けちゃえよ!」
振り返ると、舞田が知らない女性を連れている。
「望もだよ!」
女性はさっきとは別の早稲田の友達だった。
「私はここで飲んでるのが好きなの!」
勝手な推察だが、早稲田も進んで踊ったり人に声を掛けて行くタイプではないようだ。
「オレは場に慣れたら適当に動くから」
オレがそう言うと、
「リズムに乗ってるだけでも良いんだよ。お二人さん」
早稲田の友達が言った。舞田も「そうだぞ!」と言って、オレの肩を『ポン』と叩く。苦笑して早稲田の方を見ると、にっこりして会釈してくれた。
「ユースケ、久しぶりに行っちゃわない?」
とクラブに誘われた。
とっくに就職活動に入り、遊んでいる暇などない筈だが、週末だったので、
「はいはい。行っちゃいますよ」
軽く承諾した。
18時過ぎに六本木に行ってみると、舞田の他に、ミドと彼女の女友達2人が来ていた。
入口でIDチェックなどを済ませ中に入ると、4人はフロアーに出て踊り始める。舞田は直ぐに目当ての女性を見付け、リズムを取りながら声を掛けている。オレはカウンターで軽くリズムを刻み、2、3時間場の雰囲気を堪能したら帰ろうと思っていた。
「望も踊らない?」
三つ離れた席に座っていた女性に、友達と思われる女性が声を掛けた。
「うん。私はいい」
ノゾミと呼ばれた女性が答えると、友達は「そう」と言ってフロアーに戻って行く。これが、早稲田望という人を最初に見た瞬間。色白で、サラっとしたロングヘアーの早稲田が気に留まった。だが、流石にガン見する訳にもいかず、気持ち悪いと自覚しつつチラチラ見て現を抜かした。
その時、後ろから急に肩に手を回された。
「ユースケもたまには弾けちゃえよ!」
振り返ると、舞田が知らない女性を連れている。
「望もだよ!」
女性はさっきとは別の早稲田の友達だった。
「私はここで飲んでるのが好きなの!」
勝手な推察だが、早稲田も進んで踊ったり人に声を掛けて行くタイプではないようだ。
「オレは場に慣れたら適当に動くから」
オレがそう言うと、
「リズムに乗ってるだけでも良いんだよ。お二人さん」
早稲田の友達が言った。舞田も「そうだぞ!」と言って、オレの肩を『ポン』と叩く。苦笑して早稲田の方を見ると、にっこりして会釈してくれた。
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