憾み その10
連載中[作品説明]
2、3日経つと、羞恥心は苛立ち、憎しみへと変化した。落ち着いたかと思えば、1、2時間後にはぶり返すの繰り返し。この時ばかりは安定剤も効かなかった。
自分に目標があれば、あの人の見方は違っていたかもしれない。怒りを奮起に替える訳でもない、お門違いも甚だしい感情……その状態が2ヶ月は続いた。
この間、舞田とミドは遊びながらも就活を本格化させていて、舞田は歴史雑誌を発行する出版社へ、ミドは神奈川県内の歴史博物館の事務として就職が決まった。
オレはというと、流石に危機感を感じては来たが、重い腰が中々上がらず、結局面接を受けたのは10社に止まった。そして、全て不採用……。そのまま卒業を迎えてしまう。
今思えば、採用されなかったのは自分の無気力さ、心構えのなさが手繰り寄せたのだと思う。
オレが進んだのは、派遣社員の道だった。大手人材派遣会社に登録し、通信会社で基盤の検査をしてデータを取る仕事が決まった。取り敢えずは、路頭に迷わなくて済んだ。
しかし、働き出して2ヶ月が経った頃、舞田とミド、そして「もう1人」。全ての友達と音信不通になってしまう。
職場には友達がおらず、背後から「孤独」という悪魔が忍び寄る。悪魔は病の症状も伴っていた。連日続くうつと倦怠感……。そんな状態で3ヶ月目に入り、仕事に慣れて来たという事で、1、2時間程度の残業を頼まれるようになった。始めは何とか耐えていたが、その内きつくなり、体調不良を理由に定時で上がらせて貰っていた。
働き出してから、通院は月1にして貰い、その事はリーダーにだけ告げていたが、流石に怪訝に思ったリーダーは、「何処が悪いのか」と訊いて来た。オレは躊躇いながらも、正直にうつ病だと打ち明ける。
次の日から、リーダーや周りの社員さんは、「大丈夫?」などとちょくちょく声を掛けてくれるようになった。
理解してくれたんだ。勝手にそう思っていた矢先――
自分に目標があれば、あの人の見方は違っていたかもしれない。怒りを奮起に替える訳でもない、お門違いも甚だしい感情……その状態が2ヶ月は続いた。
この間、舞田とミドは遊びながらも就活を本格化させていて、舞田は歴史雑誌を発行する出版社へ、ミドは神奈川県内の歴史博物館の事務として就職が決まった。
オレはというと、流石に危機感を感じては来たが、重い腰が中々上がらず、結局面接を受けたのは10社に止まった。そして、全て不採用……。そのまま卒業を迎えてしまう。
今思えば、採用されなかったのは自分の無気力さ、心構えのなさが手繰り寄せたのだと思う。
オレが進んだのは、派遣社員の道だった。大手人材派遣会社に登録し、通信会社で基盤の検査をしてデータを取る仕事が決まった。取り敢えずは、路頭に迷わなくて済んだ。
しかし、働き出して2ヶ月が経った頃、舞田とミド、そして「もう1人」。全ての友達と音信不通になってしまう。
職場には友達がおらず、背後から「孤独」という悪魔が忍び寄る。悪魔は病の症状も伴っていた。連日続くうつと倦怠感……。そんな状態で3ヶ月目に入り、仕事に慣れて来たという事で、1、2時間程度の残業を頼まれるようになった。始めは何とか耐えていたが、その内きつくなり、体調不良を理由に定時で上がらせて貰っていた。
働き出してから、通院は月1にして貰い、その事はリーダーにだけ告げていたが、流石に怪訝に思ったリーダーは、「何処が悪いのか」と訊いて来た。オレは躊躇いながらも、正直にうつ病だと打ち明ける。
次の日から、リーダーや周りの社員さんは、「大丈夫?」などとちょくちょく声を掛けてくれるようになった。
理解してくれたんだ。勝手にそう思っていた矢先――
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