夢のうた~花のように風のように生きて~

完結

[作品説明]

☆ 少女はいつも哀しみほを抱えていた。男でもない女でもない、こんな半端な自分が恨めしい。。。☆

 お千香は大店(おおだな)の一人娘。
 亡くなった父が決めた婚約者と結婚した。父の言いつけで、身体の弱いお千香は夫となった定市とは生涯、夫婦の交わりをしてはならないと申し渡されている。

 だから、夫婦となっても、二人はいまだに他人のままのよそよそし関係が続いていた。

 だが、頼りにする父が亡くなり、定市が新しい店の主人となってからは、お千香と彼の立場は逆転してしまう。

 お千香は恐ろしかった。夫のいつも自分を見つめる冷めた目に怯えて暮らしていた。そして、その執拗な視線の底に暗く燃えさかる欲望の光があることに、無垢な彼女き付いていない。

 江戸時代、苛酷な宿命を背負いながらも、懸命に生きようとした少女の物語です。

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[レビュー]

  • [評価] ★★★★★
    両性具有って難しいテーマですよね。

    やっぱり萌未さん流石です!

    時代、家柄、身体の秘密全てがお千香を縛っている。
    追い詰められて、母性よりも絶望が勝ってしまったですね。

    切なくて泣けました
  • [評価] ★★★★★
    完結、おつかれさまでした。

    またもや切ない結末に、ウルっとしてしまいました。

    自我の思いが強過ぎて、相手を思いやれないと、誰も幸せになれないなんて…ある意味リアルですよね(笑)

    あの時、産着ごと抱きしめていれば違う結末になっていたはずなのに…おもちゃ買って来るタイミング遅過ぎだろ!!と、読みながら突っ込んでしまいました。

    次作も楽しみにしてます!!
  • [評価] ★★★★★
    短編ながらも読みごたえのある、素晴らしい作品でした。
    江戸時代ならではの背景情景も文面からありありと浮かんできました。

    出来ることなら、最後にもう一度だけ愛する人に一目逢わせてあげたかった…。

    お千香の悲しく儚い人生に、切なくて涙が出ました。

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