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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第7章 それぞれの過去 二

「そうですか。ところで俺を拉致った理由はなんですか? まぁ、金目当てだとは思いますが」

多分俺は、あの時には既に、生きてることに飽き飽きしてたんだと思う。死ぬことに多少の不安を抱きながらも“死”というものに期待をしていた。

嗚呼。これで俺は……楽になれる。解放される。と。

だから拉致られたその時も全く怖くなかった。むしろ、こいつらの怒りをかって殺されようとか考えていた。

「冷静だね。坊っちゃん。そうだよ。俺達が君を拉致ったのは金が欲しかったからだ」

俺がこいつらを全く怖くなかったのはもう一つ理由がある。

それは、俺が自分の存在証明のために習得した“強さ”があったからだ。

自分はほんとに今、生きているのか?

自分はほんとに今、この世界に存在しているのか。

――わからない――

そんなとき、俺は不良が集まる場所に行き、喧嘩をふっかける。

殴りあいをしている時だけは生きている実感があった。嗚呼。俺は今、存在しているのだと。

だからこそこんな奴等怖くなかった。

「そう…ですか」

けど、この相対する気持ちは俺の中で行動過程に邪魔をする。

死にたい。やっと生きてることからの辛さから解放される。けど、生きてる実感が欲しい。

そんな気持ちが俺の中でうずまいていた。

「じゃあそろそろおたのしみのお時間といこうかな」

結果、それは最悪の事態を招くことになる。

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