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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第7章 それぞれの過去 二

そうか。親のことなんか忘れてた……。

「いえ。大丈夫です。せっかくの申し出ですがことわらしていただきます。ですので、送っていただかなくて平気です」

はやく……この場から去りたい。

「いや、でもそういうわけには行かないよ。御詫びもしなきゃいけないし。だから送らせてくれ」

もう、めんどくさいな。

「勝手にしてください」

ここにきて初めてボロが出てしまった。今まで計算して大人の対応をしてたのに…初めてぶっきらぼうな言い方をしてしまった。

「そっか。ありがとう」

この人と話してると……調子が狂う。

「……」

そのあとは特に会話もなく。ただ、家まで送ってもらった。

そして、家の近くまで来たときに話しかけてきた。

「隼人君。お願いとかあるかい? ほら、今日あんなことがあっただろ? それの御詫びっていうかなんていうか……」

「別に…ありません。というか、いまあなたが俺を家まで送ってくれたじゃないですか。それだけで結構ですよ」

「そんな、こんなのじゃ御詫びになんないよ。他にないの? ほら、もっとこう……」

「……なら、ふたつほどあります」

『「それは(?)」』……

「さっきの奴等を殴ること。…そして、あなたと戦うこと」

「えっ?」

目の前の人物はなに言われたか理解が追い付かないとでも言うように、すっとんきょうな声を出して固まってしまった。

そりゃそうだろうな。こんな小学生のガキにさっきの奴等を殴らせろって言われて、挙げ句の果てに自分と戦えって言われたんだからな。

「まず、ひとつ目の理由は簡単です。ただ、やられっぱなしってのが気にくわないからです」

少しの間をおいてから俺は続ける。

「そして、二つ目に、ただ純粋にあなたと戦かってみたいと思ったからです。あなた、もしかしなくてもすごく強いですよね?」

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