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ひねくれショタと変態大学生の平和的日常

第7章 それぞれの過去 二

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「ここらへんでいいかな?」

数分後、広い空き地にでた。そこであの人が独り言を呟いた。

「あの、早く終わらして下さい。つまんないんで」

「隼人君って冷めてるよね……」

「冷めてませんよ。ただ興味がないだけです。それに、この殺気は確実にあなたを狙ってますよね? つまり、俺には関係ないし、あなたの敵ってことですよね」

「まあ確かにそうなんだけどさ。少しぐらい子どもっぽくなってもよくない? 冷静すぎるよ」

「そんなことありません。と言うか、そんな無駄口を叩く時間があるなら早く倒して来て下さい。草風蒼時さん」

そういってわざとらしく笑顔を作る。

「はぁ。わかったよ。じゃあ行ってくるよ」

その人は肩を落としながら敵がひそんでいるところに自ら向かって行った。

「おーい! どこのもんかわかんねぇけど早く出てこーい!」

おいおい。敵を引っ張り出すのにあんなんでいいのかねぇ。

「チッ。気付いてたか。俺らは久保田組のもんだ。てめぇには悪いが死んでもらうぜ!」

久保田……ねぇ。

「どうも御苦労様です。俺でよかったら相手しますよ。いつでもかかってきてください」

あの人は余裕の態度だな。まああたりまえか。向こうの奴等が弱いからな。

「てめ! ……まあいい。俺らを前にしてそんな態度をとったこと、後悔させてやる!」

そういってスキありありで走り出すあいつら。

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