テキストサイズ

雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第4章 LessonⅣ 忍ぶれど

「私も頑張って、これからは自信を持つようにするから。聡さんも明日から、過去はできるだけ忘れて生きるって約束して」
 輝が言い終わらない中に、聡が盛大なくしゃみをした。
「いけないわ」
 輝は聡が羽織らせてくれたダウンコートを脱ぎ、今度は彼の肩にかけた。
「これは君が着ているんだ」
 こんなときは年上らしい命令口調で言う彼が微笑ましい。しばらく押し問答を繰り返した後、輝は微笑んだ。
「それじゃ、こうしましょ」
 大きなダウンコートを並んで座った二人で羽織った。
「なるほど、こういう方法があったか。名案だ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ