雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第5章 LessonⅤ キャッツ・アイにて~孤独なピアノ~
LessonⅤ キャッツ・アイにて~孤独なピアノ~
聡が輝を連れていったのは意外な場所だった。聡は公園を抜けると、隣のあの雑居ビルに入った。
昨日と同じようにエレベーターに乗り、今度は三階で降りる。輝が不安げなのを見たのか、聡は笑った。
「心配はしなくて良い。別に変なところに連れていくわけじゃないから」
「聡さんを信頼してるから、大丈夫」
本当にそう思ったのだが、聡は強がりだと思ったようである。小さく含み笑い、三階の突き当たりの部屋に入った。
ガチャガチャと鍵を開ける騒がしい音が静寂に響く。
聡に続いて輝が脚を踏み入れると同時に、灯りがついた。ふいに照らし出された光景に、呼吸をするのも忘れてしまったほど愕く。
聡が輝を連れていったのは意外な場所だった。聡は公園を抜けると、隣のあの雑居ビルに入った。
昨日と同じようにエレベーターに乗り、今度は三階で降りる。輝が不安げなのを見たのか、聡は笑った。
「心配はしなくて良い。別に変なところに連れていくわけじゃないから」
「聡さんを信頼してるから、大丈夫」
本当にそう思ったのだが、聡は強がりだと思ったようである。小さく含み笑い、三階の突き当たりの部屋に入った。
ガチャガチャと鍵を開ける騒がしい音が静寂に響く。
聡に続いて輝が脚を踏み入れると同時に、灯りがついた。ふいに照らし出された光景に、呼吸をするのも忘れてしまったほど愕く。