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雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第1章 LessonⅠ 憂鬱な夜には

の私にはきっといちばん縁のない言葉なのに。こんな自分は一生涯、結婚するチャンスもないだろう。
 ふいに純白のウェディングドレスを纏っている自分の姿が浮かんだ。これまで親友の披露宴に出たことは何度かあるが、正直、彼女たちがどんなドレスを着ていたのかまでは思い出せない。
 いや、飾り気なんて、何もない方がかえって良くはないだろうか。至ってシンプルで、トレーンも引いてはいない。女にしては長身すぎる167㎝、ついでにいえば胸も殆どない―いまだに成長期の少年のような体型には、どんなタイプのドレスが似合う? 
 やっぱり、ふんわりとして飾りがごてごてとついた方が、体型を無難に隠してくれるのかしら。輝の好みのようなシンプルなものは、かえって胸も女性らしい膨らみもおよそない貧弱な体型を強調するだけなのかもしれない。

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