雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日
LessonⅡ 心ときめく記念日
その日は瞬く間にやって来た。ネットで見つけてすぐに予約した夜はまだ十一月下旬だった。それまでの二週間を長いような、短いような―妙な心もちで輝は過ごした。
当日の朝、輝は約束の時間、午前九時きっかりにN駅前の大通りに立った。しかし、やはりというべきか、既に数え切れないほど通ったことのある舗道に立ち、幾ら周囲を眺め回してみても、その写真館らしき建物は見つからない。
まさか、からかわれたとまでは思わないが、もう少しその辺りを詳しくきいておくべきだったかと後悔しかけた時、舗道沿いに建つビルと喫茶店の間を少し入った路地から、一人の男が現れた。どうやら、その路地に面している小さな雑居ビルから出てきたようである。
その日は瞬く間にやって来た。ネットで見つけてすぐに予約した夜はまだ十一月下旬だった。それまでの二週間を長いような、短いような―妙な心もちで輝は過ごした。
当日の朝、輝は約束の時間、午前九時きっかりにN駅前の大通りに立った。しかし、やはりというべきか、既に数え切れないほど通ったことのある舗道に立ち、幾ら周囲を眺め回してみても、その写真館らしき建物は見つからない。
まさか、からかわれたとまでは思わないが、もう少しその辺りを詳しくきいておくべきだったかと後悔しかけた時、舗道沿いに建つビルと喫茶店の間を少し入った路地から、一人の男が現れた。どうやら、その路地に面している小さな雑居ビルから出てきたようである。