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キレーな顔した狼さん。

第15章 12匹目

「そう?……フッ」

「……何だよ…さっきから笑って……」

耳元で笑う瑠樹に、
少しムッとした口調で問い掛ける。

「ん?…いや……
…汐里がさぁ?かわいいなーと思って」

……

…んなっ!?

「お、おおお前はバカか!?
バカだろ!?そーなんだろ!?」

瑠樹の突然の発言に、
凄い勢いでテンパル俺。

危うく携帯、
落としちまうとこだったぜ……

「クッ…アハハっ……」

「やめろ!笑うな!からかうな!」

ホントにこいつは……
いちいち俺の反応で遊びやがって…っ

ひっじょうに!
腹立たしいっ!!

「フハハッ……ごめっ…はぁ…」

糞も悪いと思ってないだろ。コイツ。

「つか、汐里……
そんな顔真っ赤にして怒っても
全然怖くないから。むしろ、かわいーだけだから。
あと、俺…いつ汐里ばからかった?」

んなっ!?
またコイツはっ…

瑠樹の言葉に、パッと部屋の隅の鏡をみる。

鏡に映る自分は…確かに顔が
真っ赤だった。

…て、おいっ!

「なんで、お前にわかんだよ!
顔が赤い…なんて…」

瑠樹とはあくまで、電話をしている訳だから、俺の顔なんて見えてねーだろ

「そんなの簡単。
俺が汐里を、すっげー好きだから。」

「なっ…」
ボッ

り、理由になってねぇし…

「ほら、汐里?
また顔…赤くなってるよ?」

どこまで赤くなるんだろーね?
なんて恐ろしい事を言う瑠樹。

その瑠樹の余裕な声に似合わず、
実は少し、瑠樹も照れて赤くなってる事なんて……

この先気付くときがくるのかね…俺は。

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