無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「はぁ～…これだからお子様は…」

両手を広げて、ヤレヤレと首をふる母さん。

その時、俺は無償にムカついた。

「よく考えなさいよ？汐里。
あんまり高価なモノを貰っても、
瑠樹君が気を使うでしょ？」

もっともらしい事をいってはいるが…

「ん～…」

眉間に深いシワを刻んで、俺は
首を捻る。

「いいのよ！このチョコ美味しいしっ！
それにっ、これ買ったコンビニの店員さんがイケメンで…」

そんな俺をまるめ込むためか、母さんはチョコの感想めいた事を口にした。

…店員のことは置いて置こう。

「え？食ったのか？」

「食ってないわよ？」

「はぁ？じゃぁ…なんで…」

ま、まさか…

母さんの心底不思議そうな顔と、
矛盾を覚えるその返事に…

俺は母さんの次の言葉を予想した。

「だって…」

「う、うん…」

「そーやって書いてあるでしょ？」

うわぁーーっ！
だと思ったァ！

できればハズレて欲しかった俺の予想。

だが、そーいう予想こそ
当たってしまうもので…

…そいえば、昨日見た"明日の占い"に
「君はついてる！明日は君の予想！
ｽﾞﾊﾞﾘ的中！」って書いてたな…

下が煩くて、寝れなかった暇潰しで見た占いだったけど…

以外と当たるんだな…

確か…「でも！大事な所でハズレてそうです…ちゃんと確認してね！」とも言ってたっけ……

ま、どーでもいいか…

少しの間、現実を逃避して、
母さんに俺の意見を述べてみた。

「あのな、母さん……
売れて欲しいモノに、わざわざ"不味い"って書くやついるか？」

俺のもっともな意見にも何故か母さんは動じない。