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キレーな顔した狼さん。

第15章 12匹目

「書くわよ?
このチョコの横に"不味いチョコ"ってあったもの」

なんて真顔で言ってきた。

「うえ!?まぢか書いちゃったかぁ!」

このチョコ出した会社…
…なかなかヤるな…

何だか、母さんに負けた気がして
少し、ショックを受けていると、

「お母さーんっ!朝ごはんまだぁ?」

なんて言う声が、下から聞こえてきた

「あらあら、もーこんな時間?
ちょっと待ってねぇーっ」

その声に、母さんは時計を確認してから、顔を廊下に出すと大声で返事をした。

そして、俺に再び向き直り、

「じゃ、それ頼むわねっ!
汐里も早く下降りてきなさいよ?」

と、チョコの箱を指差して言うと、慌ただしく階段を降りていった。

「…アイツ……チョコ好きなのかな…」

"美味しいチョコ"と書かれた箱を見ながら、俺はボソリと呟いた。

────────────

─ピンポーン

着替えてから顔を洗い、朝食を食べ終えた俺が、
洗面所で歯を磨いていると、玄関のチャイムが鳴らされた。

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