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キレーな顔した狼さん。

第7章 5匹目

「何、顔あかくしてんの?」

明らかにニヤつきながらこんなことを聞いてくる

「い、いや…何でもねーよ…」

何となく斜め下を見ながら一応、否定はしとく

「へぇ~…」

絶対理由わかってるよな…こいつ

「何だよ!つーか、お前…その…知ってたのかよ…髪ば触ってたの…」

「当たり前だろ?さっきも言ったじゃん。ずっと起きてたって」

「だから、その"ずっと"を詳しく教えろ!!」

「あー、わかったよ」

依然として笑顔の瑠樹。
何がそんなに楽しんだよ……
こっちは冷や汗かきっぱだっつのっ

「んーと、流れ的には、俺が起きた時は汐里まだ爆睡だったよ?そんでずっと寝顔みてたら、汐里が起きそうだったから寝たふりしたわけ」

「なんで寝たふりとか…」

「まぁ聞けよ。寝たふりしながらうっすら目開けたら、案の定、汐里が起きてて…すんげー可愛い顔してみてくっから"何見つめてんの?襲っちゃうよ?"
とか言おーとしたの」

「言おーとしたセリフがありえねぇだろ」

「だから聞けって!
言おーとしたんだよ!なのにいきなり髪の毛触ってるし嬉しそうだしヤバイしで……理性が飛ぶとこだった…」

…とりあえず危なかったんだな。よし。

「…理性とばなくて良かったわ」

呆れながらもそう言うと

「ははっ…ホント良かったね」

なんて予想もしていなかった言葉が帰ってきた

「あれ?」

もっとこう…突っかかってくるかと…

「俺さぁ…低血圧だから朝、めっちゃ不機嫌なの」

「……心から良かった」

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