テキストサイズ

キレーな顔した狼さん。

第11章 8匹目

「よしっ!じゃぁ早速、今日から頼もうかしら?」

「ああっと…忘れとった、忘れとった」

湊さんが気合いを入れた所で店長は
何かを思い出したように声を上げた

「ん?何がですか?店長」

湊さんは話を一端やめて、店長の話を促す

「いやいや、お客様がね、だんだん落ち着いて来たから…湊ちゃんにも、もー上がって貰おうと思って言いに来たんだったよ」

フォッフォッフォ…と笑って店長が湊さんに言う

「え!?それじゃぁ、この子達は…」

「ああ、そうだね?今日は大丈夫だから、ヘルプはいいよ。でも、もしこれから特に行くところが無いなら遊んで行くといい」

「「え?」」

何となく聞き返してしまうと湊さんとハモってしまった

「あ、何かスンマセン」

「え、いえいえ」

「ほぉー…気が合うのぉ~、うちは恋愛が自由だからの。湊ちゃんは可愛いし。運命感じちゃうのぉ~……」

「え!?いや、そんな…」

「ハハッ…あんたら高校生でしょ?見た目的に。高校生と気が合うなんて、私もまだまだ若いわね!フフっ…あんたが私を好きになるのは解るけど……まだまだガキだからねぇ…」

店長の何気ない言葉にたどたどしく言葉を返す俺とは正反対に、湊さんはふざけた事を言ってくれる

俺は瑠樹が怖すぎて横を見れねっつのに!

……チラッ
「……」
ビクッ
「!?」

まぁ…案の定、瑠樹からはそりゃぁもう黒い真っ黒なオーラが
……無言で笑ってる所が逆に怖い

そんな俺何かお構い無しに店長は話す

「もちろん、これから色々と頼みたいから、今日はとことんサービスするし…どーだい?」

いや、どーだい…って言われても…
確かにカラオケっつのもありだよな…

でもっ、でもっだぞっっ!
今の瑠樹と一緒になんて…考えただけで悪寒が……

「はい、そーゆー事でしたら。是非」

ニッコリと微笑みながらこんな事を言うのは……瑠樹しかいない

「え!?ちょ…」

俺が瑠樹の言葉を聞いて焦った頃にはもう遅い

店長が
「じゃあ、湊ちゃん。汐里くんと瑠樹くんを部屋へ案内してくれるかい?そしたら、もう上がっていいからね」

などと話を進めるから

「はい、解りました。では…
…ほら!行くよっ、あんた達!」

という湊さんの言葉により
俺のカラオケ来店が決定。

ついでに、俺の終わりが近いのも決定。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ