愛して、愛されて。
第8章 壊れる音
自分の感情が間違ってることだなんて、知っている。
だから、奏太から笑顔を向けられる度どうしようもなく辛かった。
俺を、信用しているような笑顔。
心から、俺のことを友達と思っている笑顔。
それに答えることができない、本能。
頭の中ではいつも、自分の欲望で奏太を汚してしまっている俺には、
ただ辛いだけだった。
それでも。それでも奏太と一緒にいれるなら我慢しようと、
友達でも、保護者でもなんでもいいと、
やっと思い始めた矢先の出来事。
限界だったのかもしれない。
自分を制御することができなかった。
ほんと、最悪だな俺は。
無理やりキスをして、犯そうとした。
思ってもない言葉を投げかけ、泣かせて、
それでも自分が抑えきれずに。
謝るしかないのだろうか。