愛して、愛されて。
第1章 狂愛
それは前に一度、経験したことのある感覚。
「や、やだよ!外せっ、にいさっ…あああぁ゛っ」
ソレの根本に嵌められたもの。
それによって、射精をすることが出来なくなった。
それなのに、兄さんは意地悪く笑いながら、ビクビクと震えるソレを擦り続ける。
イけないのに、快感を与えられる。
それはどんなことむりも、苦しいことだと、俺は前にも一度、思い知らされている。
そう、前にも一度。
初めて犯されたあの夜。
イきたくても、イかせてもらえなかったあの夜。
あの夜も、俺のモノの根本には、それがあった。
だから、知ってる。
その“恐怖”を…―。
“触りたい”
でも、触れない。
腕も自身も拘束されて、自由が利かないのに、変わらず与えられる快感。
おかしくなりそうだった。
「ヒィっ、ああああ゛…やめっ、ンくうっ…ァハンっ!!」
「好きでしょ、奏太。此処弄られるのも、縛られるのも。」
グチュ、ヌチャ
部屋に響く、卑猥な水音。
そのリズムに沿って与えられる厭らしい快感。
壊れてしまう。
ガクガクと震える腰も、喘ぎ声しか出ない唇も、痛いくらい締め付けられているアレも、
俺の理性も…―。