愛して、愛されて。
第9章 狂気の矛先
『戻れない。』
あれは、もう前の様に仲良くする気がないということだろうか。
「ははっ。」
乾いた笑いに、全ての熱が冷めていく気がした。もう、本当に終わったのか。
凄く楽しかった。恭といる日々は、俺の唯一の救いだった。誰といるよりも、一番安心出来たのに。
そんな心休まる場所を、俺は失ってしまったのだ。
「、、、っ。」
また涙が溢れそうになって、俺はその場から走り出した。泣きたくはないのに、我慢は出来そうにない。
こんなところで泣くわけにはいかない。
必死に走って、たどり着いたのは保健室だった。