愛して、愛されて。
第3章 日常と、
さすがにもう、雄飛さんの店には行けない。
…行く勇気がないだろ。
4時間目終わりのチャイムと同時に、机に突っ伏した。
何なんだ。何なんだよ、朝のは。
ゾクッ…―
雄飛さんに舐められていた手首が疼く。
「ああ!!!もうっ!」
分からない。
“壊れてないの?”
“そうすれば奏太君は…―”
あの言葉の意味も、あの行動の意味も。
全てが不明だ。
熱っぽく俺を見つめていた雄飛さんの目が、頭の中に浮かんで消える。
それと同時に、兄さんの顔が浮かんだ。
「…っ…、」
勢いよく、フルフルと首を振る。
…なんで、兄さんの顔なんか浮かぶんだよ。
静まれ、静まれ、静まれ。
昨日の恐怖が蘇って、俺の体を蝕んでいく。
恐怖だけじゃない、昨日味わった激しい快感までもが、体中を駆け回った。
「あ、あ、ああ…」
ヤバイ、飲み込まれる。
おかしいんだ、俺。
兄さんに犯されるようになってから、時々こんな感覚に教われる。
体中が疼き、叫びたくなる。
「あ、ああ…」
「奏太?、奏太!?」
「…え…?」
快感が、興奮が、体中を犯していこうとする瞬間、
何よりも落ち着く声色が、俺の体の熱を抑えてくれた。