愛して、愛されて。
第3章 日常と、
バッと顔を上げると、やっぱりそこには一番会いたい奴がいた。
「あ…恭…、」
「奏太、大丈夫か?顔色、すっげぇ悪い。」
眉を寄せ、俺を心配そうに覗き込む恭。
いつのま間にか、体中の違和感は消えた。
「だ、大丈夫…」
「じゃねーだろ。」
ピシッと額を叩かれた。
「いてーよ、恭。」
叩かれてヒリヒリと痛む額を押さえながら、恭を睨む。
そんな俺に、恭はため息をついた。
そしてもう一度、額に手を伸ばしてくる。
ふわり、前髪の下に手を滑り込ませた恭は、心配そうに顔を歪めた。
「熱、あるんじゃねーの?」
「熱なんかないっつの…多分」
「多分ってなんだよ、馬鹿奏太。」
「なっ、馬鹿じゃねー!」
「はいはい」
恭が笑う。それだけで、体が楽になった。
コイツはいい奴だ。
いつだって、俺の面倒を見てくれる。
大事な、親友だ。