愛して、愛されて。
第3章 日常と、
そうだ、そうだよ。
これが日常で、あれが夢だ。
家に帰ったら、俺は夢を見るんだ。
兄さんにされてることも、全部。
そして今だ不明な雄飛さんのことも、全部夢だろ。
恭がいて、先生がいて、クラスメイトがいて。
これが俺の日常だ。
愛しい、日常なんだよ。
何も怖くなんてない。
恭がいる場所が、俺の居場所だから。
「お前、マジで大丈夫かよ?」
「あー?大丈夫っつってんだろー」
「………」
後ろから、横から、そして前から。
次々と視線を感じる。
だけどそんなもん、丸無視してやる。
「んー、うまいなっ!」
「…美味そうだけどさ、そんなに食えんのか?」
隣から聞こえた戸惑いの声に、バッと顔を上げた。
心配そうな恭と目が合って、ニヤリと笑う。
「お前、ほんっと過保護だよな。」
「…お前がそんなんだからな。」
はぁ。とため息をついた恭を軽く睨み、目の前の特大カツ丼に意識を戻す。