愛して、愛されて。
第3章 日常と、
ため息をつく度に、恭の短い金髪がサラサラと揺れる。
それを、ニヤニヤと笑い撫で回した。
「恭くん、俺って愛されてんね。」
「………阿保か、やめろ」
フイッと顔を背ける恭に、ニヤニヤが止まらない。
少しだけ顔を赤くした恭に、幸せを感じた。
――これが、俺の幸せなんだ。
恭がいれば、俺はきっと堪えられる。
兄さんのことも、全部。
現実から逃げるわけじゃないけど、
無かったことにできるわけじゃないけど、
助けを求めるくらい、いいよな。
恭に縋るくらい、許されるよな。
―――たとえ、
本当のことを、打ち明けることができないとしても。