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愛して、愛されて。

第4章 酷く冷たい優しさ




「…っ…、」


なぜだろうか。
体が勝手に動く。

扉のノブに手をかけて、そっと開いた。


キーっ、小さな音すら、心臓に響く。


ドク、ドク、ドク…

どうか目を覚ましませんように。


そう願いながら、兄さんの眠るソファーに足を進めた。


ゆっくりと、兄さんの側に歩みよった。


なんでだ、なんでだよ。

ほっとけよ、兄さんなんて。


戻れ、足を止めろ。

こんなにも自分自身に命令してるのに、言うことを聞かない。


ついに、兄さんが眠るソファーの目の前に来ていた。



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