
愛して、愛されて。
第1章 狂愛
助けて。誰か、タスケテ。
「あ、あれは…雄飛さんが、勝手に…」
「へぇ、雄飛に会ったんだ。俺に内緒で」
「…っ…―」
――ああ。
どうしてこの人は、俺の携帯の中身を知ってるんだ。
まさか。
部屋を見渡し、目当てのものを探す。
だけどそれは、兄さんの手に握られていた。
「探しもの。はい」
「あ…」
ガタガタと震える体は、言うことを聞かなくて。
差し出された携帯を、なんとか受け取った時だった。
ぐいっ。
「うわっ!」
腕を強く引かれ、簡単に身体を投げ出される。
ふわりと俺を受け止めたベットは、ギシリと音を立てて。
目を開けると、俺の上には色っぽく笑う兄さんが跨がっていた。
