
愛して、愛されて。
第1章 狂愛
頬が引き攣る。
身体が、激しく震える。
俺を見下ろす兄さんを直視することはできなかった。
あまりに綺麗な顔。
綺麗な、瞳。
それが、恐怖に囚われる俺を写す。
兄さんが、妖艶に言葉を発した。
「悪い弟には、お仕置きしなきゃ。」
ゾクっ、
その悪寒が、今日も俺は兄さんに犯されるのだと。
痛いほど、思い知らせてきた。
「や…やだ、やめっ…」
「噛むなよ?」
「んン…っ!!」
乱暴に唇を重ねる兄さん。
貪るように俺を唇に吸い付く兄さんは、
俺の口内を掻き混ぜていく。
クチュ…クチュ
耳を塞ぎたいくらいの卑劣な音が、俺の脳内を犯して、意識を曇らせていた。
「ふっ、ンンっ、ァ…」
やめろ。やめろ。
いくら胸を押し返そうとしても、力が抜ける。
何度も角度を変えられる度、卑猥な水音が、ゾクゾクと俺を犯していく。
「ふっ…ハッ、ハァ…」
「口ん中、熱いね奏太」
「ふ、ざけ…んな、ハッ」
思いっきり息を吸い込み、肩で息をする。
そんな俺を、兄さんは余裕な顔で見つめていた。
