愛して、愛されて。
第5章 守りたいもの
体が、震える。
激しい怒りが、沸々と沸き上がり、俺の体を駆け回っていた。
「…あんなに跡までつけてさ、楽しかったかい?奏太君を犯すのは?」
「…っ、黙れよ。」
「フフフ、いいなぁ。俺にもヤらせてくれよ、奏太君と。」
――――殺してやる。
殺意が、俺の体を震わせ続けた。
なんだ、コイツ。
ふざけてんの?
まじで、死にたいの?
「嫉妬に狂うならさ、さっさと壊しちゃえばいいんじゃない?
そして俺に、頂戴よ」
「…っ…―」
咄嗟に腕を振り上げた。
殴ってやる、コイツの顔、潰してやる。
綺麗なこの顔を、使い物にならなくしてやる。
雄飛の顔に向かって下ろした拳は、掠りもせず、ただ無力に宙をさ迷う。