愛して、愛されて。
第7章 眩暈がするほどに
まじで、今何時だ?
小さく欠伸をして、ベットから出た。
時計も見たいし、喉も乾いた。
「水、飲もうかな。」
部屋を出て、薄暗い階段を降りていく。
夜中で静まる家の中は、少し不気味だ。
小さい頃、怖くて一人でトイレに行けなかったな、なんて思い出して、ひとりで笑ってしまった。
リビングの扉を、静かに開けた時だった。
玄関の鍵が、開けられる音。
その音に、ビクッと体が反応してしまった。
リビングの扉を少し空けたまま、俺の手が止まる。
震え始めた指が、俺の感覚を奪っていく気がした。