
愛して、愛されて。
第1章 狂愛
「な、んだよ…それ」
声が震える。
それを目に入れた瞬間。
吐き気がした。
「ん。ロープ、かな」
「なにに…使うんだよ…」
決まってるだろ?
そう笑った兄さんは、強い力で俺の両腕を片手で強く握り、頭の上で抑えつけた。
「お仕置き。」
気が、遠くなる。
これからされることが、分かってしまった。
縛 ら れ る。
自由を、
奪 わ れ る …―。
「や、やめっ、痛い。いてぇよ!!あ゛あ゛。」
ギリギリと音がするくらい、強く両腕を縛られ、そのままベットに繋がれた。
兄さんは、
「痛くないと、奏太は覚えないから。」
なんて笑った。
ヤメロ。離せ。殴ってやる。
言いたいことは沢山あんのに、痛みに邪魔されて。
「ヒッ、ィ…」
発しようとする声は、声にならなかった。
縛り終えた兄さんの指が、俺の裸に触れる。
指先でなぞるように、俺の脇腹、胸、腹、全てを撫でていく。
「ヤッ、あァ…ヒ、やぁっ!!」
擽ったさと、煩わしさに、身体をくねらせると、
兄さんは、目を細め笑った。
「お仕置きの始まりだ」
それは悪魔の、囁きだった。
