愛して、愛されて。
第7章 眩暈がするほどに
ーーーーぐいっ。
兄さんとは違う腕が、俺の体を引き寄せた。
「、、、っ!?」
兄さんの目が見開かれた瞬間、俺は嗅ぎなれた恭の香りに包まれていた。
「えっ、、、」
ななにが起こっているのか、わからない。
ただ、兄さんとは違う温もりを感じた。
紛れもなく、恭の温もりだ。
ーーーた抱きしめられている。
恭に、、、。
庇うように、恭は俺の背中に腕を回した。
「きょっ」
「どうゆうつもりかな?」
慌てて恭の名前を呼ぼうとした俺の声に、兄さんの低い声が重なる。
その低い声に、兄さんが怒っていることか伺えた。
、、、やばい。
このままじゃ、兄さんに何をされるかわからなかった。
俺だけじゃない。もしかしたら、恭まで兄さんの怒りの対象になってしまう。
それだけは、絶対だめだ。
力強く俺を抱きしめる恭の胸を、できる限り押す。
「、、、っ!」
びくともしない恭の体に驚いた。
どうやら恭は、俺を離す気がないらしく、
今まで以上の力で抱きしめた。
そして、
「奏太。すまん、、。」
小さく、そう呟いたのだ。
「、、、え」
どうして、恭が謝るんだ。
どうして、お前が、、、、、。
戸惑いと、恭に謝らせてしまった事実に、顔が歪む。
恭の表情を確かめたくて、顔を上げた時だった。