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血とキズナ

第4章 どうでもいい奴ら

 合コンの誘いも、これで2度目。
 前の誘いも断っている。

 合コンより護衛を選ぶなんて、バカだなと思う。


「いいじゃん行ってこいよ。
 リツのことはオレが引き受けっから」


 リツの言おうとしたことを、意外にもユウゴが代弁した。


「正直さ、おまえいても意味ねえし。ケンカ弱えから」


 がんっと、佐山の脳天に岩が降った。


「おま、そんなはっきり言わなくても……」

「だってそうだろうが」


 返す言葉が見つからないのか、佐山は口元をもごもごと動かしている。


「なにやってんだ」


 そこへ、ひときわ低音な声が響く。

 その主の出現に、2人のクラスメートは固まった。


「いや、佐山が合コンに誘われてたんで、見張りはオレがやるからいいって、言ってたんです」


 悪びれもせずに、鴇津は火のついた煙草を指に挟んでいる。


「ああユウゴ、お前もいい。帰れ」

「え、でも……」

「いいつってんだろ。
 それにお前、今日は紫鳳の集会の日だろ。1年の分際で遅刻でもしやがったら、どうなるかわかんねえぞ」


 鴇津の言葉に、ユウゴはぐっと口を結ぶ。


「わかりました」


 ユウゴは足早に教室を出ていった。

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