血とキズナ
第4章 どうでもいい奴ら
リツ一人で、学ラン男全員を止めることは不可能。
つまり、鴇津を止めるしかない。
すっとんきょうなリツの行動に、思わず止まった鴇津の腕をとり、リツは脱兎の勢いでその場をあとにした。
不意をついたからか、リツたちを追ってくる奴はいなかった。
寮のエントランスに駆け込み、リツはやっと足を止めた。
膝に手を付いて息を整えていると、鴇津に手を振りほどかれた。
よく黙って引っ張られてきたなと、リツはいまさら驚いた。
鴇津の性格を考えれば、すぐにでも振りほどかれ凄まれててもおかしくなかったように思う。
「なんのつもりだ」
鴇津も息が上がり、腰に手を当てて息を整えている。
そんな様がまた男前だ。
男前はどんな状況でも男前らしい。
しかしその二枚目顔が、血で赤く染まっていた。
「すいません! つい力んじゃって、力がッ」
思い返してみると、乱闘を止めることに意識がいきすぎて、思いっきりぶん殴ってしまった気がする。
しかも木製バットで。
さらに頭から流血している状態でダッシュさせるとか、ふつうの人なら死んでる。間違いなく。
「違えよ。なんで邪魔したのか聞いてんだ」
しかし鴇津は、なんてことなく仁王立ちで佇んでいる。
やっぱり怪物だ。
つまり、鴇津を止めるしかない。
すっとんきょうなリツの行動に、思わず止まった鴇津の腕をとり、リツは脱兎の勢いでその場をあとにした。
不意をついたからか、リツたちを追ってくる奴はいなかった。
寮のエントランスに駆け込み、リツはやっと足を止めた。
膝に手を付いて息を整えていると、鴇津に手を振りほどかれた。
よく黙って引っ張られてきたなと、リツはいまさら驚いた。
鴇津の性格を考えれば、すぐにでも振りほどかれ凄まれててもおかしくなかったように思う。
「なんのつもりだ」
鴇津も息が上がり、腰に手を当てて息を整えている。
そんな様がまた男前だ。
男前はどんな状況でも男前らしい。
しかしその二枚目顔が、血で赤く染まっていた。
「すいません! つい力んじゃって、力がッ」
思い返してみると、乱闘を止めることに意識がいきすぎて、思いっきりぶん殴ってしまった気がする。
しかも木製バットで。
さらに頭から流血している状態でダッシュさせるとか、ふつうの人なら死んでる。間違いなく。
「違えよ。なんで邪魔したのか聞いてんだ」
しかし鴇津は、なんてことなく仁王立ちで佇んでいる。
やっぱり怪物だ。