血とキズナ
第5章 路地裏の青天
隣を見ると、ユウゴが眉間にしわを寄せていた。
そして、なんとなく泣きそうな顔をしているような気がした。
リツは、コンとグラスをテーブルに置いた。
「そんな、特殊なことじゃないよ」
リツのつぶやきに、談笑していた松根と土井が止まった。
「あ? なにが?」
「人を壊したい感情なんて、みんな持ってるよ」
「そりゃそうだろうけどな、でも、実際ヤるのとヤらないのじゃ、全然違えだろ」
「違わないよ。おんなじ。
実際傷つけた人も傷つけてない人も、違いはないよ」
リツは窓の外を眺めた。
いろいろな人が、太陽の下を歩いている。
この人たちに、違いはない。
人を殴る時は殴るし、殺すときはきっと殺してしまう。
違いはない。
違うとすればタイミングか、環境か。
きっとその程度だ。
「ケンカはよくて、刺すのはダメなの?」
「いや、だって刺すとか、シャレになんなくね? 死んでもおかしくねえよ。
殺人犯なんて、もう人生終わりだぜ」
「ケンカだって、運が悪ければ死ぬよ。
人を刺したって、絶対死ぬわけじゃないし。
鴇津さんにも俺らにも、違いなんてないよ。
俺も、包丁振り回したことあるし」
「え!?」
そう言って、リツは席を立った。
「俺、ちょっとトイレ」
そして、なんとなく泣きそうな顔をしているような気がした。
リツは、コンとグラスをテーブルに置いた。
「そんな、特殊なことじゃないよ」
リツのつぶやきに、談笑していた松根と土井が止まった。
「あ? なにが?」
「人を壊したい感情なんて、みんな持ってるよ」
「そりゃそうだろうけどな、でも、実際ヤるのとヤらないのじゃ、全然違えだろ」
「違わないよ。おんなじ。
実際傷つけた人も傷つけてない人も、違いはないよ」
リツは窓の外を眺めた。
いろいろな人が、太陽の下を歩いている。
この人たちに、違いはない。
人を殴る時は殴るし、殺すときはきっと殺してしまう。
違いはない。
違うとすればタイミングか、環境か。
きっとその程度だ。
「ケンカはよくて、刺すのはダメなの?」
「いや、だって刺すとか、シャレになんなくね? 死んでもおかしくねえよ。
殺人犯なんて、もう人生終わりだぜ」
「ケンカだって、運が悪ければ死ぬよ。
人を刺したって、絶対死ぬわけじゃないし。
鴇津さんにも俺らにも、違いなんてないよ。
俺も、包丁振り回したことあるし」
「え!?」
そう言って、リツは席を立った。
「俺、ちょっとトイレ」