血とキズナ
第6章 昔の俺と、今の君
従業員用出口から外に出た。
ここは大きな国道沿いに面しているが、他に建物はあまりない。
奥の方に工場がいくつかと、リナの通う大学がひとつあるが、民家という民家はほとんどない。
だからこのコンビニの客層は近所の住人というよりも、トラックの運ちゃんとか、遠出してきてちょっと休憩がてら立ち寄るどこかから来た人たちと言った感じだ。
ゆえにこのコンビニの駐車場はバカでかい。
トラック10台はゆうに止まる。
軽くパーキングエリアっぽい。
見通しのいい片側3車線の信号の少ない国道。
さらに夜ともなれば軽自動車から10tトラックまで、猛スピードでかっ飛んでいった。
バイト先であるこのコンビニまで、霧金の最寄り駅から電車で3駅ほどある。
面接を受けたときは、もっと近いところがいいなぁとか思っていたが、考えてみれば少し遠いぐらいが丁度よかったかもしれない。
霧金近郊でバイトなんかしてカギの亡者たちに見つかった日には、バイトどころじゃなくなっていただろう。
出勤には少し不便だが、案外ここで正解だったんじゃないかとも思う。
しかしここから最寄り駅まで徒歩約20分。
やはり結構めんどくさい。
ため息をつきたくなる思いだが、、リツは駅を目指すことにした。