血とキズナ
第6章 昔の俺と、今の君
リーゼントが酒を3杯ほど煽った頃、カランコロンと赤い扉が開いた。
「あ、ちわす」
現れたのは、くせっ毛の茶髪が愛嬌をかもし出す小柄な少年だった。
彼に向かい、佐山と話していた松根が、挨拶をした。
そんな松根に倣い、他のメンバーたちも、ちわースっと腹に力を入れた声でビシッと頭を下げる。
背丈が160そこそこしかない華奢な体格だが、これでも彼は高校三年生の17歳だ。
そして彼は、紫鳳の総長、東条の従兄弟で、名を三上という。
いつも東条と行動をともにする彼が、今日は珍しくひとりらしい。
「松根、グレープジュースお願い」
「はい」
まだあどけなさの残る命令に、松根は素直に従った。
挨拶を終えた他のメンバーは、再びバカ騒ぎを再開する。
皆の視線が三上から外れると、彼はトランプをやるリツを一瞥した。
リツがしっかりと視線をあわすと、三上はぷいと視線を外した。
「凌一ー」
そして満面の笑みを浮かべながら、東条のソファに座る鴇津の元へ駆けていった。
「ちっ、目障りだから来んじゃねっつの」
隣で、山札からカードを引きながらリーゼントが言った。
見れば、頬がほんのり赤くなっている。
「おいやめとけよ」
向かいの鼻ピアスをした男が、リーゼントを宥める。
「だってよぉ、強くもねぇくせに威張りやがって、松根もよく相手するよな」
「松根は、お前と違って大人だからな」
「あんな奴、東条さんが言わなきゃ誰も相手なんかしないっつの」
「その辺にしとけ。そんなこと言ってんの東条さんに知られたらシバかれるだけじゃすまねえぞ」
「あ、ちわす」
現れたのは、くせっ毛の茶髪が愛嬌をかもし出す小柄な少年だった。
彼に向かい、佐山と話していた松根が、挨拶をした。
そんな松根に倣い、他のメンバーたちも、ちわースっと腹に力を入れた声でビシッと頭を下げる。
背丈が160そこそこしかない華奢な体格だが、これでも彼は高校三年生の17歳だ。
そして彼は、紫鳳の総長、東条の従兄弟で、名を三上という。
いつも東条と行動をともにする彼が、今日は珍しくひとりらしい。
「松根、グレープジュースお願い」
「はい」
まだあどけなさの残る命令に、松根は素直に従った。
挨拶を終えた他のメンバーは、再びバカ騒ぎを再開する。
皆の視線が三上から外れると、彼はトランプをやるリツを一瞥した。
リツがしっかりと視線をあわすと、三上はぷいと視線を外した。
「凌一ー」
そして満面の笑みを浮かべながら、東条のソファに座る鴇津の元へ駆けていった。
「ちっ、目障りだから来んじゃねっつの」
隣で、山札からカードを引きながらリーゼントが言った。
見れば、頬がほんのり赤くなっている。
「おいやめとけよ」
向かいの鼻ピアスをした男が、リーゼントを宥める。
「だってよぉ、強くもねぇくせに威張りやがって、松根もよく相手するよな」
「松根は、お前と違って大人だからな」
「あんな奴、東条さんが言わなきゃ誰も相手なんかしないっつの」
「その辺にしとけ。そんなこと言ってんの東条さんに知られたらシバかれるだけじゃすまねえぞ」