血とキズナ
第6章 昔の俺と、今の君
次には、すっと頭を上げた東条。
ふつうなら、申し訳なさや気まずさで腰が低くなったり、大きな態度など取れなくなりそうなものだが、東条にそんな様子はない。
いつものはっきりした表情で、堂々と佇んでいる。
自分の行動や言動、全てに自信がみなぎっていて揺るがない。
きっと、そんな人なのだろう。
鴇津が興味を抱く相手なだけのことはある。
東条清春。
その堂々たる振る舞いに鳥肌が立った。
そんなリツの脇を通り過ぎ、松根は東条と向かい合う。
「いえ。俺らが三上の言うことを鵜呑みにしたのがいけないんすよ。
ちょっと考えれば、東条さんがそんなバカげた命令するはずないってわかったはずですから。
俺らのほうがバカだったんすよ。
こちらこそスイマセンでした」
頭を下げ返す松根に倣って、紫鳳の全員が、一斉に頭を下げた。
下げていないのはリツと鴇津。あと三上ぐらいで、佐山もなぜか深々と頭を下げている。
東条は、ははっと笑い出した。
そしてひとりごちるように言った。
「良い仲間を持ったな」
皆に聞こえたかどうかはわからないが、皆の表情は明るい。
「そんじゃ、みんなでゲーセン行くか。俺のオゴリでな」
東条の言葉に、うおぉーと男たちの雄叫びが響く。
場は一気に盛り上がり、東条が歩き出せば皆一斉に歩き出す。
ふつうなら、申し訳なさや気まずさで腰が低くなったり、大きな態度など取れなくなりそうなものだが、東条にそんな様子はない。
いつものはっきりした表情で、堂々と佇んでいる。
自分の行動や言動、全てに自信がみなぎっていて揺るがない。
きっと、そんな人なのだろう。
鴇津が興味を抱く相手なだけのことはある。
東条清春。
その堂々たる振る舞いに鳥肌が立った。
そんなリツの脇を通り過ぎ、松根は東条と向かい合う。
「いえ。俺らが三上の言うことを鵜呑みにしたのがいけないんすよ。
ちょっと考えれば、東条さんがそんなバカげた命令するはずないってわかったはずですから。
俺らのほうがバカだったんすよ。
こちらこそスイマセンでした」
頭を下げ返す松根に倣って、紫鳳の全員が、一斉に頭を下げた。
下げていないのはリツと鴇津。あと三上ぐらいで、佐山もなぜか深々と頭を下げている。
東条は、ははっと笑い出した。
そしてひとりごちるように言った。
「良い仲間を持ったな」
皆に聞こえたかどうかはわからないが、皆の表情は明るい。
「そんじゃ、みんなでゲーセン行くか。俺のオゴリでな」
東条の言葉に、うおぉーと男たちの雄叫びが響く。
場は一気に盛り上がり、東条が歩き出せば皆一斉に歩き出す。