
血とキズナ
第7章 ニセモノ
「あれ、九鬼さん? 何でこんなとこにいんの?」
リツの顔を見ると、九鬼のピアスの付いた口角がにやりと上がった。
「いやぁ、お前がここでバイトしてるって聞いたから、おもしろそうだなと思って」
「なんもおもしろくなんかないですよ。ふつうの店員なんだから」
「いいから。会計しろよ」
「ハイハイ」
リツは山本を通り過ぎ、レジへ入った。
台の上にはアダルト雑誌とコンドーム。
リツは淡々とレジへ通し、袋に詰めた。
「1198円です」
そういいながらリツが袋を九鬼に渡すが、九鬼はつまらなそうな顔でまた台に肘をつく。
「つまんねーなぁ、もっとなんか反応しろよ」
「どう反応すんですか。
――あ、九鬼さんて、案外ちゃんと避妊するんですね」
「しねーよ。お前の反応が見たかっただけ」
「そーですか」
「あぁ、ツッコミてぇなぁ、ナマで」
九鬼はリツの細い顎を掴み、キスでもしそうな距離で舌舐めずりをする。
「どうでもいいですから、早く払ってくださいよ」
リツはするりとかわし、代金を要求する。
そんなリツの反応に、九鬼はため息をついた。
「ハイハイ。からかい甲斐のない奴だな」
九鬼はジーンズのポケットから、くしゃくしゃの千円札を二枚よこしてきた。
「だから何もおもしろくないって言ったじゃないですか」
リツはお釣りとレシートを渡す。
九鬼はお釣りだけを受け取り、ニヤリと笑った。
「まあ、近々おもしろいことになるけどな」
台の上に置かれたビニール袋を指にひっかけ、九鬼は店から出ていった。
リツの顔を見ると、九鬼のピアスの付いた口角がにやりと上がった。
「いやぁ、お前がここでバイトしてるって聞いたから、おもしろそうだなと思って」
「なんもおもしろくなんかないですよ。ふつうの店員なんだから」
「いいから。会計しろよ」
「ハイハイ」
リツは山本を通り過ぎ、レジへ入った。
台の上にはアダルト雑誌とコンドーム。
リツは淡々とレジへ通し、袋に詰めた。
「1198円です」
そういいながらリツが袋を九鬼に渡すが、九鬼はつまらなそうな顔でまた台に肘をつく。
「つまんねーなぁ、もっとなんか反応しろよ」
「どう反応すんですか。
――あ、九鬼さんて、案外ちゃんと避妊するんですね」
「しねーよ。お前の反応が見たかっただけ」
「そーですか」
「あぁ、ツッコミてぇなぁ、ナマで」
九鬼はリツの細い顎を掴み、キスでもしそうな距離で舌舐めずりをする。
「どうでもいいですから、早く払ってくださいよ」
リツはするりとかわし、代金を要求する。
そんなリツの反応に、九鬼はため息をついた。
「ハイハイ。からかい甲斐のない奴だな」
九鬼はジーンズのポケットから、くしゃくしゃの千円札を二枚よこしてきた。
「だから何もおもしろくないって言ったじゃないですか」
リツはお釣りとレシートを渡す。
九鬼はお釣りだけを受け取り、ニヤリと笑った。
「まあ、近々おもしろいことになるけどな」
台の上に置かれたビニール袋を指にひっかけ、九鬼は店から出ていった。
