
血とキズナ
第7章 ニセモノ
自分が変わっていっていることを、自覚していく。
流星とも、リツという共通点で繋がってしまった。
自分の周りに、人が増えていく。
心中の変化とともに、環境が変わる。
そんな現状を、受け止めていくしかないのだろう。
なぜなら、もう引き返せる気がしないから。
そんな鴇津の心情など、露知らず、流星がうれしそうに笑い出した。
「そうだよね。
リツがこの学校に入る時、いくらダメだって言われても、全然聞かなかったからな――。
今日は、君に会えて良かった。
これからも、リツの良いお友達でいてね。鴇津くん」
「トモダチって――」
聞き慣れない単語に痒くなる。
「それじゃあ、また来るね」
流星は鴇津に一つ頭を下げ、悲しげな背中が鴇津の方を向く。
「なあ」
そんな背中に、思わず声をかけた。
流星が振り返る。
「あんたがリツに構うのは、罪悪感と責任感だけだって」
保健室で言っていたリツの台詞が、滑るように出てきた。
立ち止まる流星。
「リツが、そう言ったの?」
「ああ。そんなので構われるのは、ウザイだけだってよ」
二人の仲を、険悪にするつもりなどない。
ただ、このことを知って、流星がどんな反応をするのか、見たかったのだ。
リツのことだ。
これが本心なのかすら、定かはない。
でも、リツの言葉であることに変わりはない。
その言葉を、流星はどう受け止めるか。
流星とも、リツという共通点で繋がってしまった。
自分の周りに、人が増えていく。
心中の変化とともに、環境が変わる。
そんな現状を、受け止めていくしかないのだろう。
なぜなら、もう引き返せる気がしないから。
そんな鴇津の心情など、露知らず、流星がうれしそうに笑い出した。
「そうだよね。
リツがこの学校に入る時、いくらダメだって言われても、全然聞かなかったからな――。
今日は、君に会えて良かった。
これからも、リツの良いお友達でいてね。鴇津くん」
「トモダチって――」
聞き慣れない単語に痒くなる。
「それじゃあ、また来るね」
流星は鴇津に一つ頭を下げ、悲しげな背中が鴇津の方を向く。
「なあ」
そんな背中に、思わず声をかけた。
流星が振り返る。
「あんたがリツに構うのは、罪悪感と責任感だけだって」
保健室で言っていたリツの台詞が、滑るように出てきた。
立ち止まる流星。
「リツが、そう言ったの?」
「ああ。そんなので構われるのは、ウザイだけだってよ」
二人の仲を、険悪にするつもりなどない。
ただ、このことを知って、流星がどんな反応をするのか、見たかったのだ。
リツのことだ。
これが本心なのかすら、定かはない。
でも、リツの言葉であることに変わりはない。
その言葉を、流星はどう受け止めるか。
