
血とキズナ
第8章 レース
「トキツさーん」
原付で先にやって来ていたユウゴが、鴇津を見つけるやいなや駆け寄ってきた。
「おっす、島田」
「お疲れさまです、トキツさん」
ユウゴはリツの挨拶をきれいに無視し、鴇津に声をかける。
「疲れんのはこれからだけどな」
「あ、そっすね。じゃ、ガンバってください! オレ、メッチャ応援します!」
いちばんはりきっているのは、どうやらユウゴのようだ。
「クソ、オレも走りたいぜ」
こぶしを握って悔しそうにしているユウゴに、リツが言った。
「走ればいいんじゃないの?」
あっけらかんとして言うリツに、ユウゴはあからさまに呆れた表情を浮かべる。
「原付で何ができるってんだよ。テンション下がっからオマエあんましゃべんな」
「島田はバイク持ってないの? 紫鳳のバイクとか」
「オマエ、ホンモンのアホだな。紫鳳の単車は、1年坊がそう簡単に貰えるもんじゃねーんだよ」
「なんだ、島田まだしたっぱか」
へらへら笑うリツに、ユウゴが掴みかかった。
「テメー降りろ。ブッ殺してやる」
「つか落ちる落ちるっ。島田、ストップ、まじ落ちる!」
1年の絡みのために、こっそりバイクのバランスをとってやっている鴇津がため息をついていると、外灯に照らされる駐車場で3つの影が近づいてきた。
「トキツってのはお前か」
3人の男が立っていた。
金髪とロンゲとマスクをしている男。
明らかにどこかの暴走族のメンバーだというのがわかる人相の悪さだ。
原付で先にやって来ていたユウゴが、鴇津を見つけるやいなや駆け寄ってきた。
「おっす、島田」
「お疲れさまです、トキツさん」
ユウゴはリツの挨拶をきれいに無視し、鴇津に声をかける。
「疲れんのはこれからだけどな」
「あ、そっすね。じゃ、ガンバってください! オレ、メッチャ応援します!」
いちばんはりきっているのは、どうやらユウゴのようだ。
「クソ、オレも走りたいぜ」
こぶしを握って悔しそうにしているユウゴに、リツが言った。
「走ればいいんじゃないの?」
あっけらかんとして言うリツに、ユウゴはあからさまに呆れた表情を浮かべる。
「原付で何ができるってんだよ。テンション下がっからオマエあんましゃべんな」
「島田はバイク持ってないの? 紫鳳のバイクとか」
「オマエ、ホンモンのアホだな。紫鳳の単車は、1年坊がそう簡単に貰えるもんじゃねーんだよ」
「なんだ、島田まだしたっぱか」
へらへら笑うリツに、ユウゴが掴みかかった。
「テメー降りろ。ブッ殺してやる」
「つか落ちる落ちるっ。島田、ストップ、まじ落ちる!」
1年の絡みのために、こっそりバイクのバランスをとってやっている鴇津がため息をついていると、外灯に照らされる駐車場で3つの影が近づいてきた。
「トキツってのはお前か」
3人の男が立っていた。
金髪とロンゲとマスクをしている男。
明らかにどこかの暴走族のメンバーだというのがわかる人相の悪さだ。
