
血とキズナ
第8章 レース
「なんでも"黒槍のトキツ” とかいうカッコイイ名前もらって調子ノってるらしいじゃねぇの」
「こくそう?」
リツが首を傾げる。
「”黒い槍”で黒槍だバカ」
「なんでヤリ?」
「レースでインをつくとか言うだろ。トキツさんはインからの追い抜きが得意だからそう呼ばれてんだ」
「おぉー、かっこいい」
リツがキラキラとした目で鴇津の方を向くが、鴇津は微妙な心情だった。
「俺らわざわざ静岡から来たんだぜ。ブルースターズってチームやってるモンだ」
反応したのはユウゴだった。
「ブルースターズって、最近静岡で聞くようになったチームだ」
「ほう。こんなところまで知ってるヤツがいるたぁ、俺らもデカくなったもんだな」
「すげーガラの悪くてセコいチームだって」
ロンゲの眉間に皺がよる。
「あんだとこのチビ。なんなら勝負したろか? いくら払えんだ、あ?」
「誰がそんな下品なバイク乗ってるヤツと走るかよ」
「このチビ……こっちが下手に出りゃ調子のりやがって」
ロンゲがユウゴに近づこうとすると、金髪がそれを静止した。
「ザコなんか相手にすんな。時間のムダだ」
「ンだとコラ!」
今度はユウゴが噛みつくが、なぜかリツがそれを止める。
「離せテメー! なんでテメーに止めらんなきゃなんねーんだよ!」
「いや、なんか話進まないからさ」
「だからなんだってんだ! はなせ!」
残念ながら10センチ以上背の大きいリツに囚われては、ユウゴも身動きがとれない。
傍から見れば、短気な弟と温厚な兄のようにも見える。
話の腰をおられた金髪は咳払いで、気を取り直す。
「こくそう?」
リツが首を傾げる。
「”黒い槍”で黒槍だバカ」
「なんでヤリ?」
「レースでインをつくとか言うだろ。トキツさんはインからの追い抜きが得意だからそう呼ばれてんだ」
「おぉー、かっこいい」
リツがキラキラとした目で鴇津の方を向くが、鴇津は微妙な心情だった。
「俺らわざわざ静岡から来たんだぜ。ブルースターズってチームやってるモンだ」
反応したのはユウゴだった。
「ブルースターズって、最近静岡で聞くようになったチームだ」
「ほう。こんなところまで知ってるヤツがいるたぁ、俺らもデカくなったもんだな」
「すげーガラの悪くてセコいチームだって」
ロンゲの眉間に皺がよる。
「あんだとこのチビ。なんなら勝負したろか? いくら払えんだ、あ?」
「誰がそんな下品なバイク乗ってるヤツと走るかよ」
「このチビ……こっちが下手に出りゃ調子のりやがって」
ロンゲがユウゴに近づこうとすると、金髪がそれを静止した。
「ザコなんか相手にすんな。時間のムダだ」
「ンだとコラ!」
今度はユウゴが噛みつくが、なぜかリツがそれを止める。
「離せテメー! なんでテメーに止めらんなきゃなんねーんだよ!」
「いや、なんか話進まないからさ」
「だからなんだってんだ! はなせ!」
残念ながら10センチ以上背の大きいリツに囚われては、ユウゴも身動きがとれない。
傍から見れば、短気な弟と温厚な兄のようにも見える。
話の腰をおられた金髪は咳払いで、気を取り直す。
