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血とキズナ

第3章 ノウテンキな男

 リツのそんな態度に、島田は目を見開く。


「は? お前、ふざけんなよ? なんだよその反応っ」


 記憶の糸をゆっくりと辿っていき、リツは思い出した。


「あ。
 ――ああ、わかったよ」


 リツは鴇津からの伝言を了解したが、島田がリツの机を思い切り叩いた。


「ふざけんなっ、何がわかったよだ! 鴇津さんをバカにしやがってッ――表出ろ!」


 島田の気迫に、さすがのリツも怯んだ。


「ご、ごめん。悪かったよ」


 リツはとっさに謝るが、島田の怒りは収まらず、胸ぐらを掴まれた。


「お前、鴇津さんに面倒見てもらえるってことが、どんなに凄いことかわかってねえのか!
 鴇津さんは今まで、一回も後輩なんか作ったことねえんだぞ!
 それを……お前はっ。
 クソっ――!」


 島田は乱暴にリツの胸ぐらを離すと、自分の席へ帰っていった。

 リツは茫然とし、島田の小さな背中を目で追った。

 ――ここに佐山がいたら、あいつが何で怒ったか、教えてくれるだろうか。

 そんなことを思いながら、リツは乱れた胸元を直した。




 

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