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血とキズナ

第3章 ノウテンキな男

 言うや否や、リツは勢いよく壁に押し付けられた。

「痛っ!」

 再び舌が差し込まれる。

「っや、やめ……」

 息をするヒマもない。


「――!」


 男は背中から手を回し、ケツまで揉んできた。

 やっと自分がされている行為に、実感が湧く。

 舌を突っ込まれ、尻まで揉まれている。

 ――俺、欲情されてる?


「アぁ、サイコーだ。
 超コウフンするぜ、おまえ」


 鼻にかかった声が、俺の口の中で響く。


「おい、俺男っ」

「カンケーねぇ。
 おら、もっと突き出しな」


 尻を揉みこまれると、俺の下っ腹あたりカタいものが押し付けられる。


「……!」

 ――マジかよ……。


 それは完全に、男の象徴だった。

 それをぐりぐりと押し付けられて、リツの頭の中は完全にパニックだ。


「ッぅひ――」


 首筋に唇が下りてくる。
 舐められて吸われて、まるで味見でもされているような気分だ。


「あぁ……イイ匂い……。
 なあ、お前、俺の部屋こいよ。ぜんーぶ喰ってやる」


 リツが唖然とするその隙にも、尻に置かれた手は悪戯を続け、前を触ろうとしてきた。


「ッ――おい!」


 さすがにそれは体中に危険信号が走り、リツは男を突き離した――。

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