
血とキズナ
第4章 どうでもいい奴ら
「でもまあ、佐山が知ってんのも噂だろ?
トキ先輩がどんな人かなんて、本当のとこわかんねえじゃん」
「ま、まあなぁ」
「だったらこんなとこで推測しても意味ねぇって。
つき合っていくことになったら、そん時わかんだろ。
わかんなかったら――…、またそん時考える」
佐山がリツをじっと見つめて、そしてふっと口角を上げた。
「そうだな。俺の情報だって、8割方人伝に聞いたもんだし」
「そういうこと」
ここでの論議なんて、所詮は机上の空論。
するだけ無駄だ。
リツはベッドから下りてクローゼットを開けた。
「さて、風呂でも入ってすっきりするか」
寮の風呂は、大浴場が一つだけだ。
リツは鼻歌混じりに、バスタオルを引っぱり出す。
「おいリツ、お前風呂入れんのか? 怪我したの頭だろ?」
――はっ。
「そうだった……」
がっくりと肩を落とす。
ケンカしてどろどろになったから、風呂でさっぱりしようと思ったのに――。
と、リツは思い出す。
「あ、そうだ。
佐山、クリーニング屋の場所知らない?」
「クリーニング? なんで」
「いやさ、ちょっと制服汚しちゃって」
トキ先輩がどんな人かなんて、本当のとこわかんねえじゃん」
「ま、まあなぁ」
「だったらこんなとこで推測しても意味ねぇって。
つき合っていくことになったら、そん時わかんだろ。
わかんなかったら――…、またそん時考える」
佐山がリツをじっと見つめて、そしてふっと口角を上げた。
「そうだな。俺の情報だって、8割方人伝に聞いたもんだし」
「そういうこと」
ここでの論議なんて、所詮は机上の空論。
するだけ無駄だ。
リツはベッドから下りてクローゼットを開けた。
「さて、風呂でも入ってすっきりするか」
寮の風呂は、大浴場が一つだけだ。
リツは鼻歌混じりに、バスタオルを引っぱり出す。
「おいリツ、お前風呂入れんのか? 怪我したの頭だろ?」
――はっ。
「そうだった……」
がっくりと肩を落とす。
ケンカしてどろどろになったから、風呂でさっぱりしようと思ったのに――。
と、リツは思い出す。
「あ、そうだ。
佐山、クリーニング屋の場所知らない?」
「クリーニング? なんで」
「いやさ、ちょっと制服汚しちゃって」
