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血とキズナ

第4章 どうでもいい奴ら

 







「なあリツー、俺のイヤーカフ知らねえ?
 黒の十字架ついてるヤツー」

「知らねーよ。
 そんなのいいから早く行こうぜ」


 翌朝。

 リツはどろどろになった制服の変わりに、学校指定のジャージに着替えていた。

 そしてベッドの下に頭を突っ込み、アクセサリーを探す佐山に待たされている。


「だって、今日俺それの気分なんだもん。
 してねえと気になって気になって授業どこじゃねえよ」

「おめーのバカさ加減は何しても変わんないって」

「なにおうっ?
 身だしなみはな、その日1日のテンションを決定づける大切なアイテムなんだぞ」

「だったらその大切なアイテムとやら無くすなよ」

「うぅうるせいっ」


 この一週間でわかったことだが、佐山はファッションに拘りが強いらしい。

 ピアスやリングなど何十個と持っていて、ジャラジャラと身につけるそれらを、毎朝飽きもせず一つずつ選んでいる。

 そんな大切なアイテムを、佐山はかれこれ10分ほど探している。
 余裕だったはずの登校時間が、そろそろ差し迫っていた。

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