
血とキズナ
第4章 どうでもいい奴ら
背後から腕を掴まれ、思い切り引き戻された。
そのまま振り向かされると、見覚えのある刺青顔が近くにあった。
なんか、デジャブ――。
呑気にそんなことを考えていると、急に襟首を引っ張られた。
おかげで一瞬息が止まる。
見上げると、そこには仏頂面の鴇津がいた。
鴇津は何も言わず、九鬼に凄んでいる。
一方の九鬼は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに厭らしい笑みに戻った。
「トキツじゃねえの。
ナニ? 今コイツ助けたの?」
高い身長を丸めて、九鬼は鴇津に近づく。
「ヘェ、昨日からお前らしくもないことやってんな。
もしかして、オマエもコイツ気に入ってんの?」
鼻と鼻がくっつくのではないかと思うほど、九鬼は鴇津に顔を近づける。
そんな近くて、ちゃんと焦点合っているのだろうか。
九鬼は基本的に、人との距離感が近いらしい。
九鬼がけたけたと笑う。
「オマエもカワイくなったな。
なあ、喰っていい?」
舌嘗めずりをしながら、九鬼はさらに顔を近づける。
そんな九鬼を、鴇津は遠慮なく掴み上げた。
「調子にノんなよクソが」
しかし胸倉を掴まれた九鬼は、より一層口角を上げる。
「ヘヘヘっ。ウマそう……」
そう呟き、九鬼は鴇津の手を握り返し、胸倉から外す。
そして再び、鴇津に顔を近づけた。
そのまま振り向かされると、見覚えのある刺青顔が近くにあった。
なんか、デジャブ――。
呑気にそんなことを考えていると、急に襟首を引っ張られた。
おかげで一瞬息が止まる。
見上げると、そこには仏頂面の鴇津がいた。
鴇津は何も言わず、九鬼に凄んでいる。
一方の九鬼は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに厭らしい笑みに戻った。
「トキツじゃねえの。
ナニ? 今コイツ助けたの?」
高い身長を丸めて、九鬼は鴇津に近づく。
「ヘェ、昨日からお前らしくもないことやってんな。
もしかして、オマエもコイツ気に入ってんの?」
鼻と鼻がくっつくのではないかと思うほど、九鬼は鴇津に顔を近づける。
そんな近くて、ちゃんと焦点合っているのだろうか。
九鬼は基本的に、人との距離感が近いらしい。
九鬼がけたけたと笑う。
「オマエもカワイくなったな。
なあ、喰っていい?」
舌嘗めずりをしながら、九鬼はさらに顔を近づける。
そんな九鬼を、鴇津は遠慮なく掴み上げた。
「調子にノんなよクソが」
しかし胸倉を掴まれた九鬼は、より一層口角を上げる。
「ヘヘヘっ。ウマそう……」
そう呟き、九鬼は鴇津の手を握り返し、胸倉から外す。
そして再び、鴇津に顔を近づけた。
