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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い

 初めて酒を口にした時、確か、こんな風に一瞬で身体がカァッと熱くなって頭がボウと痺れたようになったと記憶している。今の状態はそのときと酷く似ている。
 こんなことを考えている場合ではない。早く、一刻も早く、祖父の許に行かなくてはならないのに。
 キョンシルは口惜しく思いながらも、身体の自由が全くきかなくなった。やがて、眼の前が真っ暗になり、意識がふうっと遠のいて完全に気を失った。

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