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　全く物騒というか、人の生命を何だと思っているのだろう。こんなときでも、腹が立つ。
　キョンシルは思わず拳を握りしめた。
　そこで陰にこもった笑いが聞こえた。
「うちの旦那さまが若い生娘が好きだってことは知ってるだろう？」
「じゃア、ただ愉しむためだけに娘を攫わせたのか？」
「マ、早い話がそういうことだろうよ。それに、うちの旦那さまは本家の人間にゃ、積もる恨みがある。あの娘もいってみれば本家の人間だからな、娘をさんざ弄んでなぶり殺しにするのは、本家の爺ィに対する面当てもあるんだろう。俺にも両班の考えることは酔狂すぎて判らねえがな」